事件

ミャンマー「特殊詐欺拠点」が摘発!“トクリュウ”に引き込まれた男の懺悔告白(2)1回騙されたら何度でも

「ケータイは飛ばしのヤツを含めて3台あって、電話連絡はカラオケボックスで、メール連絡には『シグナル』を使ってました。そう、一定時間が過ぎると連絡の中身が消えるアプリっすね。現金だけの場合は『シングル』、銀行のキャッシュカードは『板』とか。両方がゲットできたら『ダブル』とか、ゲンバを踏んだ後、指示役に報告するんすよ」

 犯行は指示役の命令により「出し子」や「受け子」が行動し、金を奪うという単純なものだが、実際にはもう少し複雑な動きだったようだ。

「例えばゲンバが千葉だったら、その後は3組の『運び屋』が金をリレーして運ぶわけです。まずは、いったん東京を経由して、それから横浜に移動したりする。必ず都道府県をまたぐことを徹底させていた。たぶんゲンバ付近だと足がつきやすいからじゃないすかね」

 また指揮系統とつながる「かけ子」はこの縦割り組織とは別に、例えば関西などの遠隔地で、やはり足がつかないようにビジネスホテルやラブホを転々としながら、複数の飛ばしの携帯を使ってかけまくるのだという。

「なので、『かけ子』を実際に見たことはなかった。でも、200〜300件もの連絡先が記載された名簿を使って詐欺電をかけていると聞きました。ジブンとこでは、名簿は50〜100万円ほどでホンショクから買ったもの。金額が高いものは、すでにオレオレ詐欺やワンクリック詐欺で騙されたことがある上物で、カイシャでは『おかわり』って言ってました。1回騙された人は何度でも騙せる可能性があるから、やっぱ値段が高くなるというわけ」

 詐欺の最前線に立つ「受け子」は最もリスクの高い担当になる。

「結構な修羅場もありましたよ。金を受け取れるはずだと指示された家に行ってピンポンしてみたら、いきなり私服の警官数人がワーッと家から出てきちゃって。もう死に物狂いで走って、最後は3メートルくらいある塀をよじ登って逃げましたよ」

 こう無邪気に〝武勇伝〟を語るのだが‥‥。

 こうした詐欺グループには、ねずみ講のごとく人を吸い寄せる甘い罠も存在したという。

「『永久バック』というシステムがあった。AVで女の子を捕まえてきたスカウトマンが作品に出るたびに紹介料がもらえるのと同じで、例えば1番隊の人材を紹介した場合、そいつが稼いだカネのマージンが5%入るというわけです」

 しかし、実際にはそれほどうまい話ではなかったようで、

「やっていることは老人を騙すわけですよね。慣れないなと思ったけど、2週間も続けたら感覚は麻痺してきた。でも、それを月〜金曜日に繰り返せば、本来なら週100万近くになるはずじゃないすか。ところが実際に渡されるのはたった週4万円。ケータイ代だとか、スーツ代だとかわけのわかんない諸経費を差っ引かれて。結局は中抜きされて泣き寝入りですよ」

 そんな生活を1カ月半ほど続けたAだが、途中で現金を持ってバックレ。しかし、飲んで帰るところを待ち伏せされ、ボコボコの血祭りに上げられる目にあったという。

「とーぜん、金は全部持ってかれた。でも、カイシャには二度と戻りたくない。老人をいたぶって4じゃ、コンビニで働く方がよっぽど稼げるでしょ」

 組織に使い捨てにされたAが真に反省し、更生する日が来ることを願うばかりだが‥‥。

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