エンタメ
Posted on 2025年07月12日 20:00

【ビックリ日本史】女装で戦場を駆け巡った戦国武将の「セルフプロデュース力」と「不気味な効果」

2025年07月12日 20:00

 戦国時代には数々の武将が跋扈したが、なんとも風変りというか、「変わった趣味」の武将がいたものである。

 その名は、井筒女之介(女助)。実在を疑う声もあるが、江戸中期に成立した逸話集「常山紀談」に、尼子十勇士のひとりとして登場する人物だ。

 尼子十勇士は戦国大名の尼子氏が滅亡した後、尼子晴久がお家再興のため4万人の中から選び出した十人の侍のことで、「山陰の麒麟児」といわれた山中鹿之介(山中幸盛)が有名だ。
 
 のちの資料などでは構成メンバーの名前がまちまちだが、その中に女之介がいる。生粋の尼子家の家臣ではなかったらしく、長らく実在が確認されていなかったが、享保2年(1717年)に、岩国藩家老の一族である香川景樹が書いた古典文学書のひとつ「関西陰徳太平記」、通称「陰徳太平記」には、吉川元春の配下である堺又平春久の注釈に「のちに筒井女助と名乗る」との記載がある。
 
 この女之介はどうもトランスジェンダーやゲイではないにせよ、普段から女装をしていた。髪はちょんまげではなく巻き髪で、女物の装束をまとっていたとされる。

 ただ、生粋の女装マニアというわけでもなかったようで、実は彼なりの計算が働いていたようだ。今でいう「セルプロデュース」の意味もあったようで…。

 戦国時代、武士たちは誰もが手柄を上げることに躍起になっていた。大きな手柄であれば出世できるし、加増も叶う。報奨金をゲットすることもできる。

 戦場には多くの人間がいるが、誰も見ていないところで敵を討ち取ったところで、アピールにはならないこともある。そのために必要なのは、目立つことだ。一騎打ちの前に、周囲に聞こえるような大声で自らの姓名を名乗るのもそうだが、女之介は装束で己の存在を誇示したかったのだろう。 

 ただ、残念なことに、女之介の女装が歌舞伎の女形のように美しかった、という話は残っていない。それでも、相手を怯ませる効果はあったのではないか。女装した武将が戦場を駆け巡る姿は不気味で、そんな人間に討ち取られようものなら、それこそ一族の恥と蔑まれたかもしれない。 

 女之介が歴史に登場したのはごくわずかの期間で、どんな一生を送ったのかは謎に包まれたままだ。

(道嶋慶)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年02月23日 12:00

    猫の病気といえば、やはり腎機能の低下による腎臓病と、人間と同じように糖尿病ではないかと思う。実際は腎臓病が圧倒的に多いようだが。ざっくりいうと、腎臓病はタンパク質の過剰摂取などによって腎機能が低下する病気。糖尿病は炭水化物などの摂り過ぎによ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    エンタメ
    2026年02月26日 06:45

    イオンが運営する電子マネーWAONのポイント制度が、3月1日より「WAON POINT」に一本化される。長年にわたってユーザーを悩ませてきた「2種類のポイント問題」がついに解消されることになった。実はこの問題の根っこは深い。もともとイオンに...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    エンタメ
    2026年02月27日 06:30

    あれから2カ月近くが経ってもまだ「燃え続けている説」がある。発端は2026年1月6日午前10時18分、島根県東部を震源とするM6.4の地震だ。松江市や安来市で最大震度5強を記録したこの地震は津波の心配がなく、表向きは「よくある規模の地震」と...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/24発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク