社会
Posted on 2024年11月11日 05:58

「クソくらえ!」戦場で主君を怒鳴りつけた戦国「首討ち猛将」戦慄事件

2024年11月11日 05:58

 上司を怒鳴りつけたい衝動に駆られるサラリーマンは多いだろう。それは今も昔も変わらない。戦国時代に後の関白で主君だった豊臣秀次に対し「クソくらえ!」と暴言を吐いた武将がいる。「槍の才蔵」として知られた可児吉長、通称・才蔵だ。

 天文23年(1554年)、美濃国可児郡(現・岐阜県御嵩町)に生まれ、幼少期を願興寺で過ごした才蔵は宝蔵院流槍術の開祖、覚禅房胤栄に槍術を学んだとされる。柴田勝家、明智光秀、前田利家、信長の三男・信孝に仕えたが、天正11年(1583年)に信孝が羽柴秀吉の攻撃を受けて自害したため、秀吉のおいである豊臣秀次の家臣となった。三好信吉と名乗っていた秀次の近習時代に、事件は起こった。

 天正12年(1584年)、豊臣秀吉と徳川家康が戦った「小牧・長久手の戦い」で、秀次は味方が敗れたと聞き、急に本陣を進めた。その時、前線で戦っていた才蔵が馬に乗って引き返し、秀次に退却を促す。ところが、秀次がその忠告を無視したため「クソくらえ!」と吐き捨てるように言って、退いてしまったのだ。

 別におじけづいたわけではない。才蔵は敵の首を討つことが常に多く、腰に全てを抱えることができなかったほどの猛将だ。そのため自らの指物の笹の葉を取り、首の切り口に差し込んだり、時には口にくわえさせて戦場に放置したほどだった。この経緯から「笹の才蔵」と呼ばれるようになったという。

「小牧・長久手の戦い」後、才蔵は秀次と対立して浪人となり、その後は伊予国11万石の領主・福島正則の家臣となった。慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いでは福島軍の先鋒隊長として参加し、前哨戦の岐阜城の戦いでは3個、関ヶ原本戦では17個の首を上げたとされるが、その17個には全て、笹の葉の印があったという。

 日頃から軍神として知られる愛宕権現を信仰。自らその縁日に死ぬと予言し、縁日にあたる6月24日(墓石は11月24日)に身を清め、甲冑を身に着けて長刀を持ち、床几に腰かけたまま息絶えた。慶長18年(1613年)のことである。

(道嶋慶)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    エンタメ
    2026年03月09日 06:30

    日本にも「バベルの塔」が実在していたことを知っているだろうか。バベルの塔は「旧約聖書」の「創世記」に登場する、人間が天に届く塔を築こうとして神の怒りに触れ、破壊されてしまった伝説の塔である。「馬鹿と煙は高いところに登る」という言葉があるが、...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年03月11日 06:45

    スマホの通知に追われる日常から、少し距離を置く。そんな「デジタルデトックス」では、若者が編み物や日記、フィルムカメラといったアナログ趣味にハマるケースが報告されているが、この流れは中年層にもじわじわと波及している。その背景にあるのは、仕事で...

    記事全文を読む→
    芸能
    2026年03月13日 14:30

    音楽ライブチケットの高額転売をめぐり、旧ジャニーズ事務所の人気アイドルが所属するSTARTO ENTERTAINMENTのライブ主催会社が、転売サイト大手「チケット流通センター」の運営会社と、高額転売を繰り返したとされる東京都内の男性1人を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/3/17発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク