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記事全文を読む→サッカー日本代表「今だから明かす」フィリップ・トルシエ「厳格すぎる規律」の目的は「エモーション」だって!?
この言葉を額面どおりに受け取っていいものだろうか。サッカー元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏が、前園真聖氏のYouTubeチャンネルで明かしたのは、厳しく規律を求めた狙いだった。
トルシエ氏は日本代表の監督に就任すると、選手に対してすこぶる威圧的な態度を取った。これはチームに規律を求めたものだとされている。
前園氏はトルシエ氏が定めた厳格な規律を例に挙げる。遅刻は1分につき相当額の罰金、主将の井原正巳が席を立つまで誰も部屋に戻れない、公共のスペースで携帯電話を使ったり新聞を読んだりすることも禁止、などなどだ。これらは事実なのかと問い質したのである。トルシエ氏はなんと答えたか。
「たぶん、私がやりたいことを理解されていない部分がある。日本人はアフリカ人と違って、おとなしい。監督の言うことを聞く、というのは分かっていました。私が伝えたかったのは緊張感です。代表ユニフォームの重みや代表選手である名誉など、その威厳を普通の生活の中で持たないと、いきなりスタジアムに行って精神が潰される。いい緊張感を持ち、いいプレッシャーに変える。私はそれを若い選手に知ってほしかった。代表は甘くない、ということを伝えたかった。いい緊張感と感動を力に変えて、それがインスピレーションになり、選手たちが自分の限界を超える力になると思うので、選手たちのエモーションを引き出したかったんです」
つまり、求めたのは規律ではなく、エモーションだったというのだ。選手たちもそれを理解してくれていたと感じた、というのだが、
「結局、選手たちには意味付けがいちばん大事で、なぜプレッシャーをかけるのかとか、なぜ緊張感を求めるのかなど、説明があれば全く問題ないと思っています。日本には守備の文化がないので、押し上げの高い守備ラインというのも説明していたし、相手が化け物でも『1対1で戦う必要はない』など、とにかく『君たちのためにそうしている』と必ず説明していた。若い選手たちは嫌になったこともあると思いますが、『トルシエのシステムをやれば、もしかしたらいけるかも』と信じてくれていたと思います」
自画自賛のトルシエ氏だが、自身が日本に受け入れられていたことを示す、こんなエピソードまで披露したのである。
「不思議なことにあの時は、日本人の年配の方に愛されていました。よく街中で話しかけられました。ことわざで『可愛い子には旅をさせよ』という言葉がありますが、若い選手を海外に連れて行って、視野を広げていることに対して、彼らの親やお爺さんやお婆さんが、私に感謝の気持ちを持っていた。古き良きお父さん像が出来上がり、ある程度の厳しさというか、人生は甘くないということを、彼らを守りながら時には厳しくするという。母国開催のW杯だから国が一致団結して、私に対して『任せた』という雰囲気になった。その空気は嫌いではなかったし、それに対する責任はもちろん、持っていました」
威圧的な態度を取った狙いが、本当にそう言うとおりだったのか。実際はどう感じたのか、当時の選手に聞いてみたいものである。
(鈴木誠)
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