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記事全文を読む→【疑惑の舞台裏】「韓国は日本に勝ちを譲る」サッカーW杯予選で流れた「怪情報」と「問題の試合」
1997年のサッカー・フランスW杯アジア最終予選は、初出場を目指す日本にとって、ジェットコースターのような展開となった。
最終的に日本が出場することになったが、終盤で大きな決め手になったのが11月1日、韓国・ソウルで行われたアウェーの日本×韓国戦だった。日本は国立競技場で行われた直前のUAE戦で、痛恨の引き分け。結果、自力で第3代表決定戦出場の可能性がなくなった。
日本は韓国に敗れれば、W杯出場は絶望的となる。それまで日本がアウェーで韓国に勝ったのは1984年9月30日の日韓定期戦のみで、悲観的にならざるをえなかった。
試合前日、韓国のDFの要で洪明甫(当時はJリーグ平塚所属)は「日本戦は特別。精神武装して戦う」と力強く語った。洪は累積警告のため出場できなかったが、日本戦に向けてイレブンにゲキを飛ばしたわけだ。やはり韓国に勝つのは容易ではない…と痛感した。
そんな中、試合前日にある情報を耳にした。「韓国が勝ちを譲るということで話がついたようだ」というものだった。教えてくれたのは、親交のあるベテランのライター。ただの「怪情報」とは思えなかった。
この時点で、韓国はW杯出場を決めていた。そして当時、すでに4回のW杯出場経験があった。一方、日本はゼロ。第二次大戦後に開催された1950年のブラジルW杯以降、出場経験がない国がW杯開催国になったことはなかった。だからといって、2002年の日韓W杯に支障があるわけではない。
ただ、ここでW杯を逃すと「W杯出場経験のない国による初のW杯開催」という不名誉な歴史が刻まれる。
そうした背景があり、共催国の韓国が「勝ちを譲る」というのは、それなりに説得力があった。そこで、ソウルから親しいサッカー協会幹部に電話取材したが、
「いやあ、そんな話は聞いたことがないなぁ」
と、あっさり否定されてしまった。もしかしたら、もっと上のレベルで話し合ったのかもしれない、とも思ったが、結局は「怪情報」の域を出ることはなかった。
翌日、日本は満員の蚕室五輪競技場(ソウル)で韓国と相対した。そして日本が2-0で快勝。韓国にはいつものような、みなぎる闘志が感じられなかったが、それは「怪情報」を聞いた先入観からかもしれない。洪がいなかった影響も大きかっただろう。
試合後、洪がチームのふがいない戦いぶりに激怒し、なにやらわめき散らしていたのが印象に残っている。
その夜、2位のUAEがホームで最下位のウズベキスタンに、まさかの引き分け。これで日本は2位に浮上し、11月8日のカザフスタン戦に快勝すると、イランとのアジア第3代表決定戦に進出。11月16日の「ジョホールバルの歓喜」へとつながったのである。
(升田幸一)
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