政治
Posted on 2026年03月10日 07:30

アメリカ×イラン戦争「ホルムズ海峡封鎖⇒石油輸入不可」で中国が悲鳴を上げる「石油備蓄量はたった37日分だった」激ヤバ実態

2026年03月10日 07:30

 太陽光発電と原子力発電で世界に先行していると誇っていた中国が、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で中東からの原油の輸入ルートが絶たれ、悲鳴を上げている。

 もともと中国は石油輸出国だった。改革解放の成功で「世界の工場」と呼ばれるほど経済成長が続いた1993年を境に、国内で産出する石油だけでは足りなくなり、中近東、ロシア、中米などから輸入するようになった。
 今では、中国は世界最大の石油輸入大国であり、その量は日本の約3倍に相当する約5億トンに達している。

 ところが、新年が明けた1月2日、中米の親密国であるベネズエラが米軍に攻撃され、石油の輸入が絶たれた。追い打ちをかけるように3月、米軍はイランの制裁に走る爆撃を仕掛ける。ロシアを除けば、中国の主な石油輸入国はサウジアラビア、イラク、クウェートだ。
 しかし、これらの国からの輸入にあたっては、ホルムズ海峡を通る必要がある。イランによる封鎖でここが航行不能に陥ったため、中国が安全に石油を確保できるのはロシアだけとなった。

 問題は、中近東からの分をロシアだけで補うことは不可能なことだ。そしてさらなる大問題は、中国が「備蓄」を怠っていたことにある。
 中国は2001年、エネルギー安全保障のため、2020年までに国家と地方政府が、合わせて90日分の石油を備蓄する計画を打ち出した。
 ところがこの備蓄は、計画とはほど遠いものとなっている。実際に備蓄が最大となったのは2022年で、しかも目標とした90日分の半分に満たない37日分だった。しかもその37日分を確保できたのは、コロナが流行して経済がダウンしたために石油の消費が落ち込んだ結果である。
 ちなみに日本の備蓄量は250日から270日分だ。

 さらに驚くのは、石油備蓄計画が未達に終わっている「理由」。中国の地方政府は、不動産ビジネスを財源としてきた。しかし、その不動産バブル経済の破綻により、土地の売却で潤った地方政府を不良債権が襲い、給料の遅配欠配、人員削減に追われる困窮状態に陥った。
 この不良債権処理に追われた地方政府が困り果て、知恵を絞った手が「戦略物資」の売却だった。
 その結果、地方政府の役割だった食料備蓄サイロや石油備蓄タンクの多くが空っぽになり、本当の備蓄量は20日分に満たないと推定されている。

 要は景気低迷で財源が乏しくなり、経済活動の根源であるエネルギーの確保で綱渡りを続けていたところに、中近東ルートが絶たれたのだ。これは「大いなる油断」といえる。
 そして不動産バブル経済の破綻、米中貿易摩擦、歴史的な人口減少、粛清続きの不安定な政治体制、福祉制度の未確立という五重苦にあえぐ中国を、一段と苦境に向わせることになる。まさに国難と言っていい。

(団勇人)

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