事件
Posted on 2025年11月05日 10:15

ソウルで日本人母子を襲った悲劇「焼酎を飲んで普通に車で帰る」という韓国「飲酒運転文化」の非常識

2025年11月05日 10:15

 韓国の首都ソウルの東大門で、日本人親子が飲酒運転の車にひかれ、母親が亡くなる悲劇が起きた。11月2日の出来事だ。運転していた韓国籍の男性は、信号を無視して交差点に進入したとみられている。
 警察の調べで、男性の体内からは免許取り消し基準を上回るアルコールが検出され、飲酒運転と危険運転致死傷の疑いで現行犯逮捕された。この事故は、韓国社会が長年抱える「飲酒運転文化」の根深さを改めて浮き彫りにした。

 かつて韓国では「少しくらいなら大丈夫」という風潮が根強く、2000年代には交通事故の2割以上が飲酒絡みといわれた。しかし2018年、若者が飲酒運転の車にひかれて死亡した「ユン・チャンホ事件」を契機に社会的批判が高まり、翌年には「ユン・チャンホ法」が施行。血中アルコール濃度0.03%で免許停止という、日本と同等の厳罰化が進んだ。

 それでも2024年の飲酒運転摘発は、約8~9万件。10年前の3分の1に減ったとはいえ、人口比では日本の約10倍であり、依然として多すぎる。背景には、仕事の延長として酒を酌み交わす「会食文化(フェシク)」が今も根強いことが挙げられる。韓国を旅行した30代の日本人女性が言う。
「現地の知人と夕食をした際、みんな普通に焼酎を飲んで、そのまま車で帰っていく人がいました。代行サービスを使う人もいるけれど、全員ではないのが驚きでしたね」

 とはいえ、韓国では代行運転の普及率が高く、都市部ではスマホアプリで運転代行を呼べる環境が整っている。それでも事故がなくならないのは、一部に残る「飲酒運転は運が悪かっただけ」という古い意識を払拭しきれていないからだ。

 今回のように外国人観光客が犠牲となるケースは、韓国社会に衝撃を与えている。飲酒運転ゼロを目指すには法律だけでなく「飲んだら運転しない」が常識になるまで、意識改革を徹底するほかない。この痛ましい事件をどう受け止め、行動を変えられるかが問われている。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/11/25発売
    ■630円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク