政治
Posted on 2025年11月21日 11:00

大物親中派議員が絶滅の危機の高市政権は「中国に太いパイプなし」で「打つ手なし」

2025年11月21日 11:00

「こんな時に二階先生が現役なら、なんとか話の糸口が見つかる方向に進んだかも…」
 これは高市早苗総理の台湾をめぐる国会答弁で日中間の対立が深まる中での、自民党幹部の発言だ。
「二階先生」とはほかでもない、昨年に国会議員を引退した二階俊博元自民党幹事長のことである。

 二階氏は自民党親中議員のドン。かつて毎年のように国会議員や地方議員、財界人を数千人規模で引き連れ、訪中していた。
 2015年前後には立て続けに習国家主席と直接会談。2017年の訪中で二階氏と会談した習主席は、次のように賛辞を送っている。
「二階氏は中国人にとって古くからの友人であり、長きにわたり中日友好交流に尽力してきた。両国における各界の友好人士が志を変えることなく引き続き努力し、両国関係の改善のためにより多くのプラスのエネルギーを提供することを希望する」

 二階氏の側近はかつて筆者に、こう明かしたことがある。
「二階さんは『深夜でも習氏と連絡がとれるホットラインがある』と豪語していた。それが本当かどうかはともかく、相当な信頼関係があったことは間違いない」

 習氏以前では国家主席として大きな権勢を誇った江沢民元国家主席と二階氏の関係は、極めて濃厚だった。二階氏の地元・和歌山県などで一時、江沢民氏の銅像建立話が模索(中断)され、一方ではパンダ貸与が進んだ。

 二階氏のこうした親中の流れ以前は、1972年に田中角栄元総理が結んだ日中共同声明を皮切りに、天安門事件前の1988年に竹下登元総理が訪中して表明した円借款、そして小渕恵三元総理の中国奥地緑化運動がある。
「このほか、日中関係に貢献した政治家としては、今の林芳正総務相の父・林義郎氏や加藤紘一元幹事長。江沢民氏の腹心たる曾慶紅元国家副主席と信頼関係を築いた野中広務元官房長官も。つまり日中関係が大きな壁にぶつかると必ず、それを解決する大物パイプ役がいて、なんとか日中関係が維持されてきた」(自民党関係者)

 しかし安倍晋三政権になると、台湾との関係が深まる。安倍氏の祖父・岸信介元総理が、台湾の祖である蒋介石元総統と緊密な関係を築いたことが大きい。霞が関関係者が指摘する。
「安倍さんが総理大臣当時、日中関係は二階氏のパイプ頼り。安倍チルドレンである今の高市政権はどうか。総理を筆頭に木原稔官房長官、自民党・萩生田光一幹事長代行、古屋圭司選対委員長と、政権の屋台骨は親台湾派一色です。自民党内で親中派は、ほとんど風前の灯火。最も期待される二階元幹事長は議員引退後、体調がすぐれないと聞きます。今、日中関係が崖っぷちに追い込まれても、中国と会話の糸口がない」

 高市総理は「存立危機事態」発言以降、対中問題では沈黙を続けている。この状況に政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「ひるおび」(TBS系)で、こう論評している。
「高市政権は打つ手がない。冷静に我慢するしかないという状況。はたして日本国内の世論がどうなっていくかも注目だ」

 高市政権の国民支持率がまだ高い中、この難局にどう打って出るのか。

(田村建光)

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