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記事全文を読む→「マラソン日本新記録」の大迫傑が履いていた中国スポーツシューズ「リーニン飛電6e」メーカーのウハウハぶり
陸上男子マラソンで大迫傑選手が、12月7日のバレンシアマラソン(スペイン)で日本新記録を樹立した。この新記録におけるもうひとつの話題は、大迫が10月から中国大手スポーツ用品メーカー「リーニン(李寧)」と契約後、いきなりの快挙ということだ。
これまでのマラソン日本記録は、鈴木健吾が2021年のびわ湖毎日マラソンで出した2時間4分56秒。大迫はその記録を4年ぶりに1秒上回る2時間4分55秒で、4位に飛び込んだ。1キロ平均2分58秒という驚異的ペースだ。
リーニンのシューズを履いての新記録となったわけだが、リーニンは1984年ロサンゼルスオリンピック体操で6個のメダルを獲得した、中国の伝説的選手。種目別ゆか、あん馬、つり輪で金メダル、跳馬で銀メダルという内訳である。
「リーニン」は、その李寧が1990年に創業した中国の大手スポーツメーカーであり、陸上競技だけでなくバスケットボールなど幅広い種目のトップアスリートをサポートしている。
日本ではまだナイキやアディダスほど一般的なブランドイメージはないが、大迫はリーニンと契約した背景をマスコミから尋ねられ、こう答えている。
「単にシューズを提供してもらうだけでなく、データやテクノロジーを生かした新しい取り組みができる。自身のパフォーマンスを通じて、リーニンに貢献したい」
そして今回の日本記録のレース後、インスタグラムにこう投稿している。
〈たくさんの疑念、不安、迷い。そして気づき、沢山のものを削って。そんな中でたった1秒だけど、僕らにはとんでもなくデカイ1秒だった〉
マラソン関係者が言う。
「大迫はリーニンとの契約前はナイキと契約しており、12年間も歩んできた。それだけにリーニンとの契約までは、あらゆる面から慎重な検討がされてきたということです。その上での決断であり、契約直後は『飛電6e』を履いて10月の東京ヘリテージ・ハーフマラソンを走り、1時間1分44秒で日本人トップの6位。かなりの好感触を得ています。それを踏まえての今回の日本記録。『飛電6e』が大迫の走りに、まさにピタリとフィットしたのでしょう」
スポーツメーカー関係者が、今後を予測する。
「今まではどうしてもナイキやアディダスが、世界のトップランナーのメイン。特にパリ五輪マラソンでは、男子は優勝したトラ、3位のキプルト、 4位のカイレスがアディダスでした。鈴木健吾の日本記録はナイキ。そこに今回、リーニンが大きな成果をあげたことで、日本や欧米でもリーニンのシューズを選択するランナーは増えるでしょう」
最近は中国でマラソンブームが起きているといい、大迫の走りに対する中国メディアの関心は高い。報道では「アジア選手の足にフィットした靴なのでは。ほんとにリーニンはいい宝を得た。これでリーニンはさらに飛躍するチャンス」と大きく取り上げた。
今、日中関係が政治的には難しい関係になっているが、こうした民間の連携が今後の日中関係にプラスとなっていくのかどうか。
(田村建光)
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