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記事全文を読む→ウルフアロン新日本プロレスデビューと棚橋弘至の引退試合より優先視聴してしまった「不適切なスペシャルドラマ」
正月の風物詩といえば、毎年1月4日に開催される新日本プロレスの東京ドーム興行だ。1992年の「超戦士 in 闘強導夢」を皮切りに、今に続く毎年の恒例行事となっている。
とはいえ、毎年楽しみにテレビで見ていたのは、2000年初頭くらいまで。それこそ、大会名が「WRESTLE KINGDOM」に統一された2007年頃には、現在進行形のプロレスへの興味が激減。今では過去の名試合をDVDで見るか、プロレスゲームで当時のレスラーをエディットして楽しむ程度になってしまった。
だから新年1月4日、24年ぶりに地上波プライムタイム帯での放送となった「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム」のことを語るのは少々気が引けるのだが、ウルフアロンのプロレスデビュー戦と、棚橋弘至の引退試合には思うところがあった。
2021年の東京五輪で男子柔道100キロ級金メダリストとなったウルフアロンがなんと、坊主頭で花道に登場。さらに纏っていた白い柔道着を脱ぎ捨てると、実況の野上慎平アナが「これは新日本若手レスラー伝統のヤングライオンスタイルだ!」と絶叫する。これには私も「おお!」と声が出た。
「ストロングスタイル」の象徴たる黒のショートタイツと、黒のリングシューズを身に着けたウルフアロン。昨今のプロレスラーたちの、やけに派手でチャラチャラしたコスチュームに拒否反応が出る身としては、このいで立ちだけで興奮ものだ。
そんなウルフの対戦相手は、NEVER無差別級王者のEVIL。反則、ユニット仲間の乱入、ショーアップしすぎのアクション、カメラへ向けた試合中のアピール……私が忌み嫌うプロレスの要素を次々と繰り出すEVILのせいで(お陰で)、こちらはついつい「ウルフ、やっちまえ」と拳を握ることに。試合は攻防の末、ウルフが逆三角締めでEVILを落として勝利。デビュー戦でいきなり、チャンピオンベルトを腰に巻くことになった。
こりゃあ俄然、ウルフの今後の動向が気になる。もっとも、次の試合でいきなり、カラフルなロングタイツにヒラヒラ付きのガウンなんかで登場したら、一気に冷めるかも、だが。
続いては、棚橋弘至の引退試合。対戦相手はオカダカズチカだ。正直、私のような、昭和プロレス至上主義の老害ファンからすると、殺気を感じず爽やかで明るい空気さえ漂う彼らの試合には、食い足りなさを感じてしまったのは事実だ。
しかし、そんな彼らのお陰で、多くの新規女性ファンを取り込み、一時はドン底まで落ちたプロレスの人気をここまで復活させ、今では東京ドーム興行を超満員札止めにまで立て直したのだから、その功労は絶大だ。好みのスタイルではないが、プロレスの火を灯し続けてくれた棚橋には、心から感謝している。
試合後、オカダにスリーカウントを取られた棚橋が、リング中央で大の字に倒れて動けないでいる姿は、こんな私にも熱いものを込み上げさせる説得力があった。
この感動を、より多くの人と分かち合いたい。そして、さらに新しいファンを引きずり込んでほしいと願うのだが……。
ちょうど両試合が放送されていた時間、裏では「不適切にもほどがある!」(TBS系)のスペシャルドラマをやっていた。どうしたって「不適切」の方を優先した私は、プロレスは録画したものをあとから見たことを白状する。
というか、どうせなら「東京ドームより生中継」でやってくれりゃあよかったのにと、昭和プロレスのファンは思うのである。
(堀江南/テレビソムリエ)
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