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記事全文を読む→前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~「衆議院解散・総選挙の時は来た」という「高市答弁か中国の意向か」国民審判~
昨年11月に衆議院予算委員会で行われた高市早苗総理大臣の台湾有事にまつわる答弁をめぐり、いまだに「不適切」「撤回すべき」という議論が尽きない。
立憲民主党の岡田克也議員は、台湾周辺で中国が海上封鎖に訴えるという仮定のシナリオを自ら提示してみせ、日本政府の対応を執拗に問い続けた。野党のみならず、国民に丁寧に説明したいとの気持ちからか、高市総理は「木鼻答弁」で逃げることなく、真摯に対応した。
国際法上「武力の行使」にあたる、中国による海上封鎖を解こうとして米軍が出動する。その米軍に対して中国が「戦艦」を出す。こうした事態になれば、平和安保法制に定める「存立危機事態」にあたる可能性がある、と答弁したまでだ。
自ら平和安保法制に関わった私に言わせれば、高市答弁は与えられたシナリオにおける日本の対応につき、当然の法理を述べたにすぎない。そもそも日本が集団的自衛権を限定的に行使せざるをえなくなったのは、数十年の長きにわたり中国が大幅な軍拡を図り、軍事大国となった中国が外交上は攻撃的・好戦的な言動を弄び、台湾の武力併合も辞さないと繰り返し広言してきたからにほかならない。
なお「存立危機事態」にあたると判断されることと自衛隊の出動は、イコールではない。事態認定があった上で、政府として厳正な手続きを踏んで意思決定が行われる。
同時に日本国として喫緊の課題は、如何にして台湾有事を防止するかだ。そのために抑止力・対処力を高めるべきは、外交・安全保障の専門家がこぞって指摘してきたところだ。
こうした全体像を踏まえれば、高市答弁は台湾有事を軽々に起こさせないよう、抑止を効かせるものだった。事実、旧知の米国人、豪州人、英国人らは、高市答弁を高く評価すると、私に伝えてきた。なのになぜ、一部の政治家、メディア、識者は声を嗄らして頑ななまでに批判し続けるのか。
反対論は幾つかの種別に分類されよう。第一は、岡田議員に代表されるタイプだ。
台湾有事に日本は是が非でも関与すべきでない、との強い意志が看取される。国会での追及も「存立危機事態にあたらず」との言質を引き出そうとしているかのようだった。これでは抑止は全く効かないし、中国共産党が大歓迎する展開だ。
第二は、多くのオールド・メディアや団塊世代の外務省OBの一部に見られる反応だ。
中国を敵視、刺激する発言は戒めるべき、との旧来の立場の墨守であり、周回遅れの議論とはこのことだろう。江沢民以来の反日教育、習近平の戦狼外交の中国は、「日中友好」と笑みを浮かべて小旗を振っていた時代の中国とは全く別だ。もはや日本人は「パブリック・エネミー・ナンバーワン」。尖閣諸島に係る破天荒な主張だけでなく、対日核攻撃に賛同する声が中国のSNSに溢れている現実から目を背けるのか。既に相手に敵視されている時代なのだ。
第三は、関西経済団体の某代表に見られる経済利益至上主義者だ。
NHKテレビニュースで、中国団体観光客によるツアーのドタキャンを嘆いていた屋形船の経営者も同じ穴のムジナである。
経済的利益が重要であることに異論はない。同時に、日本の国益の柱の一本にすぎないとの謙虚な自省こそ必要だ。対等な国同士の平和が保たれてこその経済活動。轡を取らされ、額を地べたに摺りつけられても、金儲けさえできればいいのか。
日本の国柄、国民としての矜持、国際社会における尊敬・地位が汚されることにこそ、思いを致すべきだ。
このように、国の外交・安保政策の根幹にかかわる問題について国論が割れていることが、何よりも心配になる。これでは中国から足元を見られ、一気に高市政権を潰そうとする動きが強まるばかりだ。中国の意向に沿った政権しか生き残れないのか。これこそ「存立危機事態」ではなかろうか。
かくなる上は、世論の審判を仰ぐほかあるまい。衆議院解散・総選挙の時は来た。
●プロフィール
やまがみ・しんご 前駐オーストラリア特命全権大使。1961年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、84年に外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、ワシントン、香港、ジュネーブで在勤。北米二課長、条約課長の後、2007年に茨城県警本部警務部長を経て、09年に在英国日本国大使館政務担当公使、日本国際問題研究所所長代行、17年に国際情報統括官、経済局長を歴任。20年に駐豪大使に就任し、23年末に退官。同志社大学特別客員教授等を務めつつ、外交評論家として活動中。著書に「中国『戦狼外交』と闘う」「日本外交の劣化:再生への道」(いずれも文藝春秋社)、「国家衰退を招いた日本外交の闇」(徳間書店)、「媚中 その驚愕の『真実』」(ワック)、「官民軍インテリジェンス」(ワニブックス)、「拝米という病」(ワック)などがある。
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