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記事全文を読む→ソフトバンク・近藤健介が主張した「審判の判定能力を給料に反映させろ」制度改革
プロ野球選手会長に就任したソフトバンクの近藤健介が、いきなり踏み込んだテーマを掲げた。日本野球機構(NPB)に要望したのは、「審判の能力向上」と「評価制度の導入」。これは審判のみならず、選手にとっても試合の勝敗だけでなく、年俸や評価、時にキャリアそのものに深く関わってくる問題だ。
ストライクか、ボールか。たった一球の判定が、試合の流れを左右する場面は珍しくない。昨年の日本シリーズ第2戦で、その象徴的なシーンがあった。初回、柳町達のフルカウントからの際どい球がボール判定となり、四球で出塁。そこからソフトバンクは一気に3点を奪い、試合の主導権を握った。解説を務めた谷繁元信氏はあの1球を「潮目」として、
「ストライクかボールかの判定ひとつで、試合が大きく動くことがある」
と語っている。
近藤の発言の背景には、自身の打撃スタイルがある。リーグ屈指の選球眼を武器にしてきた打者だからこそ、ストライクゾーンのわずかな揺れや、カウントや試合展開によって変わる判定には敏感になるのだ。
一方で、審判の待遇や制度そのものを見直す必要がある、との指摘も出ている。能力向上を求めるのであれば、評価と報酬を結びつける仕組みが欠かせない、という考え方だ。評価制度を設け、判定の精度を給与に反映させる。能力向上と待遇改善を切り離さずに考えることで、近藤の提案は不満の表明ではなく、制度を見直すための問題提起として理解されるのだ。
海外に目を向ければ、議論はすでに次の段階に進んでいる。大リーグでは自動ボール・ストライク(ABS)チャレンジ制度をメジャー公式戦に導入することが決まった。2008年以降、リプレー検証制度を積み重ねてきたが、審判のボール・ストライク判定が「絶対」ではなくなるのは初めてのことだ。
その中核を担うのが、Hawk-Eye(ホークアイ)技術である。高性能カメラで投球軌道を正確に追跡し、打者のストライクゾーンと照合させる。選手は疑問があればチャレンジを要求でき、結果は即座に場内ビジョンや中継で示される。「判定通り」か「覆るか」が明確になる仕組みだ。
マイナーリーグにおける検証では、このチャレンジ制度が支持を得た。全てを機械判定に委ねる方式では四球が増えて試合が間延びする傾向があると同時に、捕手が磨いてきたフレーミングの技術を生かしにくい。勝負どころに限って精度を高めるチャレンジ制度は、人が裁く野球の良さを残しつつ、ゲームの形を大きく変えない現実的な選択といえるのではないか。
「ストライクゾーンは生き物」「帳尻ゾーンがある」。そんな半ば諦めにも似た言葉が長く、当たり前のように使われてきた。近藤の提案は、判定を個人の問題にせず、制度としてどう整えるかに目を向けたものだ。これで議論が動くかどうか…。
(ケン高田)
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