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記事全文を読む→江上剛が選ぶ今週のイチ推し!〈八百屋お七が生んだ迷信!?"丙午の呪い"の正体を暴く〉
「ひのえうまに生まれて─300年の呪いを解く─」
酒井順子・著
新潮社/1815円
今年は60年に1度、巡ってくる丙午。地中にエネルギーが溜まり、爆発しそうになっている年だとも言われている。昔からこの年に生まれた女子は夫を殺し、家を滅ぼすと言われ、前回の丙午、1966年において日本では子供の数が前年比で25%も減少したという。
著者は丙午に生まれ、今年めでたく還暦になる。幸いにも、これを原因とする不幸感を抱いたことはないというが、丙午に生まれた者の責任として「この呪いを解こう!」と立ち上がったのである。
まず著者は歌手で女優の小泉今日子など昭和の丙午に生まれた女性の調査から始める。彼女たちは高度成長期に生まれ、自由で力強く育ち「女性の時代」を築く原動力となっていく。
彼女たちが生まれる前年には、多くのメディアで「くたばれ迷信"ヒノエウマ"」などの特集が組まれた。しかし、それらは「人々の心を煽る記事」だったのだ。報道はますます過熱し、結果として、寝た子を揺さぶり起こし、丙午に対する不安を増大させ、出産が激減する結果となってしまった。
著者は、国が主導する人口政策はうまくいかないが、丙午を忌避する「世間」という力は尋常ではない強さを発揮した、と気づく。
寡聞にして知らなかったが、かの文豪、夏目漱石は「虞美人草」に丙午の女性を登場させている。彼女は美しく、わがままで、激しい。主人公の男性が、彼女と正反対の性格の女性と結婚すると知り、憤死してしまうのである。このことを「我の女は虚栄の毒を仰いで斃れた」と漱石は書いた。これは酷い。当時の読者は、丙午女性が男に振られて憤死するのを読み、溜飲を下げたのだろうか。
著者は、丙午の森の奥深くにどんどん踏み込んでいく。弘化、天明、寛文へと遡さかのぼる。それぞれの時代に、丙午迷信と戦う人や苦難に直面する女性の事例が紹介される。
そしてついに300年前の1683年、丙午迷信の原因となった「八百屋お七」にたどり着く。八百屋の娘で、恋人に会いたい一心で放火を起こし、火刑に処された事件である。
当時の人は「つつましくしなければ、女性は不幸になる」と教えるために「八百屋お七」の事件を利用したのだ。「女性を支配下に置きたい」という男性の願望が、丙午迷信に命を与え続けていたのである。
最後に日本の少子化は、男性が女性を支配したいと躍起になりすぎた結果だと考察を加える。そして、丙午の迷信は消滅していくが、それに関係なく、少子化の流れは止まらないだろうと警告する。
私は、本書が売れることで再び「寝た子」を起こし、少子化が加速するのではないかと懸念するが、そんなことはないだろうか。
江上剛(えがみ・ごう)1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。77年、旧第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行し、人事部や広報部を経て、支店長などを歴任。02年に『非情銀行』で作家デビュー。10年、日本振興銀行の経営破綻に際して代表執行役社長として混乱の収拾にあたる。「翼、ふたたび」など著書多数。
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