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記事全文を読む→里見浩太朗×原田龍二“「水戸黄門」ゴールデンコンビ”特別対談・上〈誰がなんと言おうと霊はいる!SP〉(2)「里見くん、トレードだ」
里見 でもね、共演していてイライラしてしまう俳優さんもいるし、よくやってくれる人もいる。これは大勢の人たちと一緒に仕事をしてきてわかったことなんだけど、得手不得手はあっても、なるべくその原作に沿った、脚本に書かれている性格、そういうものを少しでも理解してくれる俳優さんとなら、ニコニコしながら一緒に仕事できるし、なかなかやってくれない人は文句を言いたくなる時もある。文句を言っちゃいけないんだけども。
原田 そんな里見さんにも苦手な役はあるんですか。
里見 ヤクザ役だね。昭和30年代はどんな時代劇を上映しても映画館の扉が閉まらないぐらい大入りになったけど、昭和40年代になると時代劇は廃れてしまった。富司純子のお父さんでプロデューサーの俊藤浩滋さんに「里見、今度は鶴田浩二とヤクザ映画やれよ」と言われて。「緋牡丹博徒 鉄火場列伝」(1969年)という映画に出演したの。僕がヤクザ? 東映にはヤクザ役が似合う人は他にいっぱいいるんですよ。菅原文太や松方弘樹は僕よりずっとヤクザっぽい。僕は二番手、三番手の子分をやったけども、ちっとも怖くないの。俊藤さんに「僕はいくらやってもダメなんです。今後はヤクザ映画の役を付けないでください。ヤクザ姿の自分を見るのが嫌なんです」と言った。
原田 言っちゃったんですか(笑)。
里見 そしたら「お前な、役者というのはどんな役でもやるのが役者ちゃうんか!」と怒鳴られたよ。「でも、お前がそこまで言うんならもう付けん。その代わり麻雀とゴルフは付き合えよ」と俊藤さんに言われてしまってね。だから仲はすごくよかったです。
原田 それからテレビ時代劇の時代に突入するわけですよね。
里見 大川橋蔵さんの「銭形平次」からテレビ時代劇の黄金時代が始まるんです。
原田 当初、平次役を里見さんがやるっていう話もあったんですよね?
里見 「スタジオで撮影し、ビデオテープで撮るのなら出たい」と条件を出したんだけど、「映画のようにフィルムで撮ってテレビで放送する」と言われたから断ったの。そのあと橋蔵さんにオファーが行って、「あんな紙芝居みたいな小さい画面で自分を見るのは嫌だ」と泣いていた。でも事務所の社長に怒られて泣く泣くやったのが、18年間も続いた国民的時代劇になるわけですよ。
原田 すごい話ですね。
里見 それからテレビ時代劇は東野英治郎さんの「水戸黄門」、加藤剛ちゃんの「大岡越前」と続いていく。撮影所では「なんで東野さんが水戸黄門になれるの?」という声が多かった。東野さんってそれまで敵役しかやったことないおじいちゃんだよ。でも黄門役をやったら腕がありましたね。さすが俳優座の重鎮、東野さんの悲しい芝居、優しい芝居がものすごくいいんですよ。怒る芝居よりも。それで東野さんを主演に据えたプロデューサーは偉いということになったんですよ。東野さんは長いこと(13年間8カ月)黄門を務めた。初代の助さんは杉良(太郎)で格さんが横内正。杉良は「なんだ、助さん格さんって主役じゃないのか、俺嫌だよ」と第二部を最後にやめちゃった。僕はプロデューサーに呼ばれて「里見くん、トレードだ」と言われた。その頃、僕は同じTBSの「大岡越前」の火消しの纏持ちの役をやっていたんです。「どこに行くんですか?」「杉がやめたからな。助さんになってくれ」と。第三部から僕が助さんになったんだよ。
原田 それは幸運ですね。
里見 そうだよ。火消しの纏持ちのままだったら絶対アピールできないもん。助さんだから自分をアピールできた。杉さま、杉さまさまです(笑)。
里見浩太朗(さとみ・こうたろう)1936年生まれ。56年「東映第三期ニューフェイス」として芸能界入り。翌年「天狗街道」で銀幕デビュー。東映時代劇の花形スターを経て、1971年より「水戸黄門」に佐々木助三郎役にて出演。「大江戸捜査網」「長七郎江戸日記」「忠臣蔵」などテレビ時代劇で大活躍、2002年からは「水戸黄門」五代目・水戸光圀役を9年にわたって演じた。5月14日には名古屋・御園座にて「里見浩太朗コンサート」を開催。現在も第一線で活躍を続ける最後の時代劇スターである。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)1970年生まれ。東京都出身。92年ドラマ「キライじゃないぜ」で俳優デビュー。「水戸黄門」「相棒」シリーズなど出演多数。温泉バラエティ「湯一無二」(MX)のほかユーチューブ「ニンゲンTV」ではゴーストハンターとしても活躍中!
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