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Posted on 2026年07月11日 12:00

どうする!?酷暑の夏競馬「熱中症の競走馬が10倍に!」心拍数が跳ね上がり歩行どころか立ち上がれず…

2026年07月11日 12:00

 JRAの夏競馬がトップシーズンに突入する中、競走馬の「熱中症問題」が改めてクローズアップされている。
 背景にあるのは年々歳々、異常さを増している酷暑。事実、夏場に熱中症を発症した競走馬の数は、2000年代前半までは年平均3頭ほどだったが、酷暑が深刻化した近20年の間に、およそ10倍にも激増しているのだ。

 とりわけ競馬関係者に衝撃を与えたのは、2023年夏に発生した前代未聞の悲劇だった。一般の競馬ファンにはあまり知られていないが、前年の秋に3歳クラシック3冠の最終関門にあたるGI・菊花賞を制したアスクビクターモアがあろうことか、放牧休養中に熱中症を発症して死亡したのである。
 現役のGI馬が骨折などのケガ以外の理由で死亡するのは、異例中の異例。JRAの公式発表によれば、死因は熱中症による多臓器不全だったという。

 競走馬の場合、酷暑下の運動によって体内に大量の熱が発生するため、夏場のレースでは10リットルもの「滝のような汗」をかく。加えて競走馬の汗腺(アポクリン腺)には発汗で失われた塩分などのミネラルを再吸収する機能が乏しく、大量の発汗によってたやすく熱中症に陥ってしまうのだ。

ミスト噴射・送風機・ウォークスルーシャワー・エアコンで対策も…

 このような事態を受け、JRAは2024年の夏競馬から一部の競馬場で2週間、気温が高くなる日中に3時間半程度の休止時間を設定。昨夏には実施期間を4週間に延長し、今夏からはさらに延ばして、6週間で実施する予定になっている。
 この間にはミスト噴射(パドック、馬房)、送風機(地下馬道)、ウォークスルーシャワー(検量室前、厩舎エリア)、エアコン(厩舎内)など、ハード面の対策も実施。とはいえ、これらの対策で熱中症を防止できるかどうかは微妙だ。

 ある厩舎関係者は、次のように指摘している。
「競走馬が熱中症に陥ると呼吸数や心拍数が跳ね上がり、歩行どころか、そのまま立ち上がれなくなってしまうケースもある。重篤な場合は馬体の50%以上を占める筋肉がそぎ落ち、レースへの復帰までに半年以上かかることもあるのです。異常な気温上昇が引き起こす熱中症は、まさに競走馬の命を脅かす問題と言っていいでしょう」

 気象庁が今年から定めた「酷暑日」は、実に40度超え。今年の夏競馬の状況次第では来年以降、夏競馬の開催自体が危ぶまれる事態に陥るかもしれない。

(日高次郎/競馬アナリスト)

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