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記事全文を読む→ロッキーズ・菅野智之11勝しても他球団がトレード獲得しなかった「無視できない数値」隠れた防御率xERA
現地時間2026年8月3日、日本時間4日朝、メジャーリーグのトレード期限が過ぎた。かねてから移籍の俎上に載っていたコロラド・ロッキーズの菅野智之は動かず、ナ・リーグ西地区最下位のチームに残った。
45勝67敗のロッキーズで11勝4敗、防御率4.47。この時期に11勝している投手を、なぜ優勝を争う球団が獲ろうとしなかったのか。
菅野は日本時間8月1日のロイヤルズ戦で6回2/3を投げて5安打、無四球、1失点で今季11勝目を挙げた。自身7連勝となり、ロッキーズでは2021年のヘルマン・マルケス以来の2桁勝利投手に。
7月に背中のけいれんで15日間のIL入りを経験したが、7月18日の復帰後は3登板で3勝を積み重ねた。1年510万ドルという契約は強豪が手を出しにくい額ではなく、MLB公式もトレード候補として名前を挙げていた。それでも期限までに移籍することはなかったのである。
その理由を考える上で、無視できない数字がある。MLBのデータ解析システム「Statcast」が算出するxERAは7点台。許した打球の速さや角度、三振、四球などから「本来ならどの程度の防御率になるか」を示す指標だ。
強い打球を多く許す菅野は、メジャー下位1%にあたる。実際の防御率4.47とは2点以上の開きがあり、データが示す投球内容は数字ほど安定していない。36歳という年齢や各チームの補強方針など他の要因も重なり、獲得に踏み切る球団は現れなかったということだ。
となれば、こんな疑問も生じる。なぜ厳しい予測値を示されながら、11勝もできたのか。
まず目につくのは制球力だ。19先発で102回2/3を投げ、与四球はわずか24。自ら走者を増やさない投球が、今季を通じて続いている。さらに21の被本塁打のうち18本が、走者なしの場面だった。強い打球を完全に防いでいるわけではないが、走者がいる局面で被害を拡大しない傾向が数字に出ている。
6月は防御率6.58で4勝0敗…5回8失点でも白星が付いた
スプリット、フォーシーム、シンカー、スウィーパー、カッター、カーブ、スライダーと7球種を操り、相手の狙いに応じて緩急を切り替える。ロイヤルズ戦後、シェーファー監督は83球中52球をストライクに収めた制球と、変化球を待つ打者に速球で差し返す対応力を評価している。
球速や奪三振で圧倒するのではなく、四球を避けながら打者の狙いを読み、試合を進める。そうした判断には、打球の速さや角度を中心にしたデータだけでは捉えきれない部分があるのだ。
もちろん、11勝すべてを菅野ひとりの力とすることはできない。6月は防御率6.58ながら4勝0敗で、アスレチックス戦では5回8失点でも白星が付いた。打線の援護や救援投手の踏ん張り、巡り合わせに助けられた試合もある。それでも7連勝を含む長期間の好成績を、運だけで片付けるのは難しいのだが…。
今後、防御率がxERAで出た数値に近づくほど悪化すれば、今季前半の成績は大きな上振れだったと結論づけられるだろう。反対にこのまま勝ち続ければ、見直されるべきは菅野だけではない。投手をひとつの指標だけで語ろうとする見方に、修正が必要になるのかもしれない。
(ケン高田)
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