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記事全文を読む→福岡県議会の「絶対的ドン」と大物国会議員に県知事が強烈パンチを食らわせた「ライフワーク事業凍結」大騒動
裏金授受スキャンダルにまみれる福岡県政界に、激震が走った。県議会の「絶対的ドン」として君臨する蔵内勇夫県議会議長が長年のライフワークとしてゴリ押ししてきた「ワンヘルス(人と動物の健康と環境保全を一体とする概念)」関連事業について、あろうことか二人三脚で推進してきたはずの服部誠太郎知事が「新規事業の当面凍結」を表明したのだ。
2021年の知事就任後、ドンへの忖度からワンヘルス関連事業に巨額の県予算をつぎ込んできた服部知事だが、ここにきて県民からの「税金の無駄遣いではないか」という批判のマグマが限界を突破した格好だ。
この騒動は単なる福岡政界の「コップの中の争い」では終わらない。強大な権力を誇る蔵内氏のバックには、中央政界の超大物たちがズラリと控えているからだ。
自民党は2023年3月、国政の場で「ワンヘルス推進議員連盟」を堂々設立し、蔵内氏の活動を全面的にバックアップしてきた。議連会長に座っているのは、林芳正総務相である。
蔵内氏は長男を林事務所へ秘書として預けるほど、林氏とは昵懇の仲だ。その林氏が総裁選に出馬すれば、真っ先に支援を頼み込むのが蔵内氏である。
さらに同議連の「最高顧問」には、地元・福岡選出の麻生太郎副総裁が鎮座している。2016年の福岡6区補選で蔵内氏の長男が出馬した際、麻生氏は選対本部長になったばかりか、長年の政敵だった古賀誠元幹事長まで選対本部に引き入れる執念を見せた。
この補選は、文字通り「代理戦争」だった。自民党県連の推薦を得た蔵内長男に対し、鳩山邦夫元総務相の次男・鳩山二郎氏が立候補したが、二郎氏を支援し、蔵内氏とバチバチに対立したのが、菅義偉元首相と武田良太元総務相(福岡選出)のタッグだった。結果は二郎氏の圧勝で、ドンの顔に泥を塗る形となった。
沈みゆく「ドン」と「ズブズブの関係」なのに距離を置こうと…
ところが政治の世界は「昨日の敵は今日の友」。武田氏は6月に林氏と会食したが、そこには蔵内氏と同じく山口県で絶対的権勢を誇る「山口のドン」こと柳居俊学県議会議長が同席していたという。「週刊文春」はこれについて「武田氏が林氏と柳居氏に対し、蔵内氏との関係をとりもってほしいと依頼したのでは」と報じている。
かつての政敵すらひれ伏すかに見えた蔵内氏の絶大な権力だが、「ワンヘルス」という看板事業において、最側近のはずの服部知事から「凍結」という痛烈な寝返りの一撃を食らった意味は大きすぎる。
求心力の低下は避けられない情勢下、林氏や武田氏は沈みゆく可能性のある「ドン」と距離を置こうとするだろう。ただ、武田氏はともかく、すでに蔵内氏とは「ズブズブの関係」だと自民党閣僚経験者が言う林氏に、そこまでできるか、だ。
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)
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