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記事全文を読む→「呪われた土地」でまたバレた「架空預金で金銭不正授受」懲りないプルデンシャル生命の「黒い組織風土」
二・二六事件で反乱部隊が本営を置いた料亭、力道山が刺されたナイトクラブ、33人が犠牲になったホテル火災、そして再開発中に経営破綻した生命保険会社。東京都千代田区永田町2丁目の同じ土地に、これだけの事件と災厄が積み重なっている。その上に立つのが、プルデンシャル生命の本社が入るプルデンシャルタワーだ。地上38階、地下3階。2002年に完成したこのビルの足元には、呪いと呼びたくなるほど暗い歴史が幾重にも重なっている。
戦前、ここには料亭「幸楽」があった。1936年の二・二六事件で反乱部隊に占拠され、本営として使われた。戦後、その跡地にホテルニュージャパンが開業。地下のナイトクラブ「ニューラテンクォーター」では1963年12月8日、力道山が暴力団員に腹部を刺され、7日後に亡くなった。
1982年2月8日にはホテル火災が発生し、33人が死亡、34人が負傷した。寝たばこが出火原因とされ、防火設備と管理体制の不備が被害を拡大させた。建物は1996年に解体。再開発を進めた千代田生命は2000年に経営破綻し、プルデンシャル・グループと森ビルが事業を引き継いで現在のタワーを完成させた。
そのプルデンシャル生命で、新たな金銭問題が発覚した。約100人の社員らが498人の顧客から30億8000万円の金銭を不適切に受け取っていたことが明らかになったのは、今年1月だ。そして8月24日、多摩支社に所属していた40代の男性営業社員の不正事案が公表された。
この社員は複数人の顧客に「架空の高金利預金」などの説明をし、不正に金銭を受領していた疑いがあるという。同社は不祥事により今年2月9日から新規契約の販売を自粛しており、当初90日間だった期間を4月にさらに180日延長した。
この社員による不適切な金銭受領は、自粛中に行われた可能性があり、少なくとも新規契約の販売自粛だけでは、顧客との個人的な関係を利用した金銭授受を防ぎきれなかった可能性を示している。
死因・死亡時期・被害件数・被害額もわからず
異例なのは、問題の社員がすでに死亡している点だ。死因も死亡時期も公表されておらず、本人がいないため、会社は事実確認に一定の制約が生じる可能性があるとしている。被害件数も被害額も判明しないまま、会社と「お客さま補償委員会」が担当顧客への連絡と情報提供の呼びかけを進めている。
金銭問題の根は深い。今回の多摩支社の事案は被害額が未確定で、1月の30億8000万円に含まれるかどうかも明らかにされていない。会社が過去の調査で認めた原因は、営業管理職による活動管理の不十分さ、営業社員と顧客の密接な関係の悪用、本社による牽制不足、そして営業社員への過度な尊重という組織風土だった。
この土地では反乱、刺傷、火災、経営破綻と、時代を隔てて災厄が繰り返されてきた。だが今回の不祥事まで、土地の因縁で片付けるわけにはいかない。プルデンシャル生命が本当に呪われているのは足元の地面ではなく、不適切な金銭授受を把握も検知もできないまま放置してきた組織風土の方だろう。
(ケン高田)
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