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記事全文を読む→【J3の悲劇】FC大阪「ホームゲーム開催なのに地方転々」「観客たった830人」を強いられた「スタジアム改修」未着工問題
後半アディショナルタイム2分、伊佐耕平のヘディングが決まり、FC大阪はロアッソ熊本に2-1で競り勝った。11月4日のJ3第15節、この勝利でFC大阪はJ2昇格プレーオフ圏内の6位に浮上した。ところが大阪のホームゲームのはずのこの試合の観客は、たった830人だった。
会場は大阪・吹田市の万博記念競技場。祝日の11月3日に組まれていた試合は、10月8日の発表で1日ずれ込み、午後2時キックオフに変更された。
本来の本拠地がある東大阪市を離れたホームゲームは今季、これが初めてではない。8月の琉球戦は北九州で開催。ゴール裏を前売り0円とし、関西からの来場者には大人1万5000円の交通費補助まで用意したが、観衆はわずか894人だった。
京都ではルヴァンカップの甲府戦が627人、リーグの金沢戦が799人、山口でのJ1福岡戦は1002人だった。昨季はJ2昇格プレーオフを鳥取で戦い、決勝で敗れた。観客こそ集まらないが、まさに人気アーティスト顔負けの全国ツアーである。
ホームゲームが各地を転々とするのには理由がある。本拠地の東大阪市花園ラグビー場は市の施設で、FC大阪は第1グラウンドを借りる立場なのだ。2021年に市と交わした確認書には、リーグ戦ホームゲームの8割以上を開催可能とする記載がある。それでもスケジュールの都合などで別会場での開催は続き、近藤祐輔社長は会場確保を「これまで繰り返してきた課題」と認めている。
しかも、この「借家暮らし」には条件が付いている。FC大阪は2019年、第2グラウンドを5000席以上のスタジアムに改修して市へ寄付すると申し出た。第1の使用は、その約束が前提だった。
ところが着工されないまま、2024年12月の再協定で、完成期限は2028年3月末へ。当時の計画はJリーグの施設基準を満たさないものだったが、野田義和市長は全試合を第1で行うことは「ありえない」と釘を刺した。第2は全国高校ラグビー大会の会場でもあり、市長は市の責任を認めて高校生の選手らに詫びた。
ブラウブリッツ秋田は今も資金集めを継続中
約束の履行が遅れる中、FC大阪が第1を使い、ラグビーは第2に回ればよいという案に一部のラグビーファンが反発し、先に改修の約束を果たすべきだと訴えた。サポーター団体「EASTOSAKAUNIONS」は府外開催や日程変更の経緯説明が不十分だとして、選手ではなくクラブへの抗議として応援の一部を取りやめる構えを見せ、試合当日に社長が話し合いに応じる事態にまで発展した。
施設と昇格をめぐる問題は、FC大阪だけに限らない。2017年にJ3を制しながらJ2ライセンスがなく昇格を逃したブラウブリッツ秋田は、今も新スタジアムの資金集めを続ける。今年5月の判定では12クラブに施設基準の例外が適用され、一部サポーターからは「特例という名の通例」と揶揄する声が上がった。
Jリーグは今年7月28日の理事会後の会見で、FC大阪の北九州開催を受けて「ホームスタジアムを確保するのはクラブの責務」と指摘した。市と改修の協定を結んでからこの11月で7年。昇格を争う選手たちをヨソに、クラブはようやく着工予定月を迎えた。
(ケン高田)
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