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記事全文を読む→プロ野球「キャンプ地獄耳」(1)ダルの根回しに忙殺され…
渡米10年目を迎える松井秀喜だが、キャンプがスタートしても所属先なしという過去最大の危機に瀕している。ところが、ひそかに、日本球界復帰に向けてオファーを出している「ゼッコーチョー」な球団があるという。しかも、メジャーに戻るための「特別条件付き」契約まで用意。その極秘交渉の舞台裏を全て明かす。
ダルの根回しに忙殺され…
2月22日、アスレチックスからFAとなっている松井秀喜(37)が渡米した。折しもメジャー各球団では、野手組のキャンプが始動‥‥しかし、松井はいまだ移籍先が決まらず、参加するキャンプがないという緊急事態に置かれている。必然的に、向かった先はキャンプ地ではなく、ニューヨークの自宅。松井ほどの選手が、いったいどうしたというのか。メジャー担当記者が嘆息する。
「昨年前半の打てなかった時期から、複数のメジャー球団のスコアラーや編成担当者が松井のプレーを見て、『どうしたんだ。以前はまっすぐに強かったのに、差し込まれてるんじゃないか』と首をかしげていた」
加えて、こんな指摘もしていたという。
「松井はスロースターター。夏から秋にかけて調子が上がるから、ポストシーズンに必要な選手かもしれないが、戦力が盤石でないチームはスタートから勝ちたい。春先に打てないイメージがあるのはマイナスだろう」
昨オフ、松井はアスレチックスからFAとなり、残留も含めた移籍交渉を開始した。ところが11月末に残留交渉は打ち切り。そこから松井の「漂流」は始まった。だが、その理由は、先のスコアラーらの戦力分析だけではなかった。
「松井は、言ってみれば、ダルビッシュ有(25)の犠牲になったんですよ」
こう言って同情を禁じえないのは、メジャー球団関係者である。
「松井とダルビッシュは、アーン・テレムという同じ代理人を使っている。が、昨オフからテレム氏は忙しすぎて、松井の手続きなど全然やっていなかったんです。そもそもテレム氏は、NBAのバスケットボール選手約30人をクライアントとして抱えており、その中にはデリック・ローズという昨年MVPのスター選手がいる。NBAは昨秋、ロックアウト(NBAと選手協会の労使協定締結のため競技施設が封鎖され、シーズンが凍結)に突入。それが11月末に解除されたとたん、テレム氏は全選手の契約を一気にまとめなくてはならなくなった」
テレム氏はここで、ローズの5年総額数十億円という大型契約を結ぶべく力を注いだ。同時に、ダルビッシュのメジャー移籍のために奔走することになる。
「ダルビッシュのポスティングの根回しがとにかく大変でした。一説には、ダルビッシュを獲ることができる資金力のある球団はレンジャーズぐらいだとわかったテレム氏は、熱心にレンジャーズにアプローチしていた、と。こうすればダルビッシュは入団してくれますよ、などと、スカウティングのアドバイスを盛んにやっていたといいます」(前出・メジャー球団関係者)
ダルビッシュを優先し、ポスティング入団交渉に忙殺された代理人は、実質的に松井を後回しにせざるをえなかったのだ。
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