ペナントも大詰め。本来ならば、クライマックスシリーズ進出争いで大盛り上がりのはずだ。ところが、観客動員も中継視聴率も控えめな数字が並ぶばかりである。改革が叫ばれて久しいが、代わり映えのしないプロ野球の現状にファンは飽き飽きしている。
試合より面白い「ストーブリーグ」
巨人 ラミレスが「パ・リーグ移籍」に動き出した
楽天 星野監督が「川上憲伸獲り」の野望執念!
統一球の導入でなかなかホームランが出ない展開や、節電ルールで引き分けばかりの結果にはもううんざり。試合よりもむしろ、早くも漏れ伝わってきた「ストーブリーグ」情報のほうが、はるかに刺激的である。
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オフの主役・巨人は後半に入ってやっとエンジンがかかってきたが、開幕から沈黙を続けた打線とともに、先発、抑えといずれも固定できない投手陣は頼りなさすぎだった。
「当然、FA権を取得している選手の調査を開始しています。先発としてはソフトバンクの杉内俊哉(30)
、主軸としては横浜の村田修一(30)に興味を示している」(スポーツ紙デスク)
補強があれば放出もあるのは当然だが、注目は主力外国人選手の先行きだ。
「わずか1勝(8月27日現在、以下同)と期待を裏切ったグライシンガー(36)のクビはわかりますが、4番としてチームの功労者だったラミレス(36)もチームを去ることになりそうです。みずからパ・リーグ移籍を熱望しているといいます」
こう語る球界関係者が主砲流出の経緯を解説する。
「原因は、もともとうまくはない守備の衰えです。東京ドームでレフトを守っていると、相手チームのファンから拍手すら起こることに嫌気がさしている。今季のチームの低迷についても、自分の守備難のせいだと責任まで感じているんです。来年にも、外国人初の2000本安打が達成できる状況もあり、現役続行のためにDHのあるパ移籍を狙っています。すでに西武、楽天、オリックスなどが興味を示しているようです」
ライバル阪神も、外国人の大量流出が危惧されている。
「かつて阪神に在籍していたボーグルソンが今季、メジャーでオールスターに選出されたことに、先発で活躍するメッセンジャー(30)とスタンリッジ(32)が刺激を受けている。日本での実績を考えたら、自分もできると考えて当然でしょう。もともとメジャー志向の強いマートン(29)も予断を許さない。彼はメジャーの評価が高くありませんが、阪神の提示する年俸と天秤にかけ、納得いかなければ出て行きます。阪神が一気に戦力ダウンするおそれがある」(スポーツライター)
続いては中日。一番の話題はもちろん今季で契約の切れる、落合博満監督(57)の進退問題である。
ドラ番記者が言う。
「落合監督の最大のネックは、地元人気のなさに尽きます。ナゴヤドームの観客動員数は減少の一途です。その不人気を勝つことで抑え込んできましたが、今季はすでに完封負け15回の体たらく。後任候補には、田尾安志氏、小松辰雄氏とともに、牛島和彦氏の名前もあがっています。86年オフのトレードを思い出すと、もし落合監督が去って牛島氏が中日に戻ったら、ドラマチックですよね」
監督の去就といえば、1年契約の楽天・星野仙一監督(64)も騒がれそうなものだが‥‥。
「いや、星野監督はまだ経験のない日本一達成の野望に固執しています。今年は補強の目玉・岩村明憲(32)が打率1割7分8厘、本塁打0と大誤算。しかし、星野監督は『俺が獲った選手じゃない』というスタンスで気にしていない。それどころか、オフには得意の大型補強をまた敢行する腹づもりです」(球団関係者)
星野監督が獲得を狙っているのが、メジャーで振るわず、現在は2Aでくすぶっている川上憲伸(36)だ。
「ブレーブス時代の過去2年は8勝22敗。年齢を考えれば、川上が野球を続けるには日本球界に戻るのがベストです。星野監督は『まだ2桁勝てる力はある』と豪語しています。他の球団が獲得に名乗りを上げても、明治大学の後輩で、中日時代には師弟関係だった強固な結び付きには対抗できないし、川上自身も断れないと言われます」( 前出・球団関係者) 球界は今、「2強10弱」の時代である。交流戦でパの優位は明白となったが、そのパでもぬきんでているのがソフトバンクと日本ハムだ。他球団と差がつけばつくほど球界はおもしろくないが、その日ハムからこんな話が聞こえてくる。
「梨田昌孝監督(58)は今季の成績にかかわらず交代する可能性が出てきた。後任は一説に栗山英樹氏(50)と言われますが、ヒルマン前監督(48)の復帰もささやかれています。ヒルマン氏は4年前リーグ2連覇を達成しながら『高校生の息子の思春期』を理由に勇退。その原因も時が解決し、再来日にも支障がない」(前出・スポーツライター)
嗚呼、ストーブリーグばかりがおもしろくなりそうである。
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