スポーツ

元西武・羽生田忠克氏「闇カジノ8億円」地獄を懺悔告白!(3)球場に借金取りが集合した

20160811o3rd

 そして、思いもよらない“事件”が起こり、羽生田氏の転落は決定的なものとなってしまう。

「6月にあった全日本クラブ選手権の東北予選で、14対0の勝ち試合だったのに、未登録選手を代打起用してしまい、没収試合で負けてしまった。それが新聞に載って、それまで『会社経営』の肩書で通していた債権者にも、自分の本当の職場が知られてしまった。『ヤバいな』と思いました」

 翌月、都市対抗野球大会の東北予選が行われた福島県営あづま球場に、羽生田監督の姿はなかった。

「球場に、借金取りがたくさん来たらしいです。自分は体調不良ということで休んで、そのまま監督を辞任しました」

 その顛末は匿名ながら週刊誌の記事にもなったという。〈元・西武の選手が闇カジノで2000万の借金〉という電車の中づり広告を見た羽生田氏は、

 “2000万どころじゃねえよ!”

 と思ったという。とうとう定期収入すらなくなったことで、羽生田氏は人生の岐路に立たされる。

「嫁さんの実家が所沢にあって、借用書に書き込む住所はそこにしていたんです。もうダメだと観念して、嫁さんに洗いざらい話しました。ビックリしてましたね。自分がギャンブルをやってたことすらまったく知らなかったから‥‥。彼女は連帯保証人になっていたわけじゃなかったので、『俺は家を出る。たぶん、これから債権者から連絡が来るけど、とっくに離婚したからわからない、ということにしろ』って言いました。その後、離婚届を書いてる時は泣いてましたね。それから今に至るまで会っていない。合わせる顔がないですから‥‥」

 闇金やカード会社に関しては弁護士に頼んで債務処理をし、知人から借りた“利子のない借金”だけが残された。しかし、それから約5年間、羽生田氏は無為の時を過ごすことになる。

「何かをやろう、という気になれなかった。最終的には差し押さえられるんですけど、その時はまだ、債務者に知られていないマンションがあったので、そこにずっといて、本当に限られた人としか連絡を取らない、何もしない毎日でした」

 食事に関しては、その知り合いたちが毎晩のように、誘い出してくれた。その中には債権者もいたが、金を返せない羽生田氏を見捨てず、支援してくれていたという。

「仕事の面倒も見てくれました。ひと月だけ電気工事をやったり、トラックの運転手を3カ月やったり。たまに野球教室を開いたりもしました。ただ、年間で100万円も稼いでないような生活でした」

 そんな無気力状態を抜け出すきっかけも、支援者の一人が用意してくれたものだった。一時的で終わらない仕事を紹介されたのだ。

「こういう状況だけど、動くだけ動けば、そのうちにやる気も出てくるはずだ」

 そう思って話を請けた羽生田氏は、昨年までその健康食品のネット販売事業に従事した。また、細々とではあるが、収入から借金を返し続けているという。

「お金を借りたのが銀行とか闇金ばかりだったら、自己破産していたかもしれないけど、大半が知り合いでしたから。破産して180人とのコネクションや友情をなくしたくない、という気持ちもある。180人の中には連絡も取らなくなってる人も当然いますし、全員に返せるわけねえな、とも思うけど、自己破産は『もう返さない』って宣言することですからね」

 そして現在、羽生田氏は新たな再起の道を歩み始めている。知人経営者が始める新事業に、声をかけてもらったのだ。

「世話になっている弁当屋を併設した居酒屋のチェーン店を、都内で10店舗ほど経営することになりました。さしあたり今は、最初にオープンする数店の名前や場所を詰めているところ。単なる“名義貸し”じゃなくて、弁当のメニューの決定や、仕出し弁当の営業・配送まで何でもやるつもりですよ」

 ワンコイン弁当をいくつ売れば借金完済となるかはわからない。でも、少しずつ積み重ねていくしかない。

「最終的に、この店が解雇されてしまったプロ野球選たちを雇ってあげられる、受け皿のような形にしていきたい。それが自分の、今の夢ですね」

 奇跡の大逆転は成るか。“野球は9回2アウトから”である。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
5
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」