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記事全文を読む→金正男殺害の謎…金正恩「暗殺王朝」血の憎悪!(3)飢えさせた大型犬に食わせた
近藤氏が明かす。
「米国は正恩氏を排除して、正男氏を擁立する方向に動きだそうとしていた。これまでただの“亡命者”だったのに、トランプ政権で価値が上がったのです」
わかっているだけでこれまで3度、暗殺されかかった正男氏。少しでも「政治」に興味を示せば、正恩氏によって即暗殺──それが正男氏の置かれた立場だったのだ。
「アジア各国を渡り歩いていた正男ですが、宿泊先は常に固定していて、各国の監視の目が行き届いていたので安全だった。それほど警戒をしていた」(防衛省関係者)
2つの説が連動したのか、いずれかの理由が動機となったのかは現段階では定かではない。
ところで、北朝鮮側は正男氏の遺体引き渡しを、事件のあったマレーシア政府に要求している。その目的は「張成沢氏処刑」の現場から明らかだ。
「張氏は、正恩氏の叔父になるが、それでも、3日3晩餌を与えていない大型犬120匹で襲わせて処刑し、正恩氏が『汚物』と呼んでいたと言われています。反逆者の遺体は骨さえ残さない。正男氏の遺体を帰国させ、嬲(なぶ)るのが引き渡しの目的です」(在韓ジャーナリスト)
ちなみに張成沢氏は、長兄、次兄、姉、妹は元よりその子供に至るまで一族が消された。「凶王」金正恩氏は、玉座に安座するために正男氏の長男・金漢率(キムハンソル)氏(21)を狙い“根絶やし”にすることも予想されている。
「漢率氏は平壌に生まれ、マカオに移住したあと、11年にボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナルスクールに入学しました。その後、パリ政治学院に進学して、昨年卒業した。現在はマカオや中国に滞在していると言われています」(前出・在韓ジャーナリスト)
そして、正男氏の一族以上に、もう1人標的にされている人物がいると明かすのは、前出・近藤氏だ。
「漢率氏より対抗馬になるのは、金正日総書記の異母弟で駐チェコ大使の金平日(キムピョンイル)氏(62)です。過去には正日氏と後継を争った人物。約40年近く東欧の大使を務めて北朝鮮から遠ざけられていますが、朝鮮人民軍にシンパが多い。信望が厚く、同世代は幹部になっていて、正男氏より後継候補として成り立ちます」
今年1月、脱北者団体が韓国から平日氏を支持するビラを風船で飛ばしたこともあったほど人気は高い。
暗殺事件は、韓国の内情にも影響を及ぼしそうだ。ジャーナリストの室谷克実氏はこう話す。
「韓国の保守派にとっては『恐ろしい北』の確認であり、従北派に対する最大の巻き返し材料になる。保守系紙の朝鮮日報や東亜日報が巻き返し材料として報道すれば、従北派はネットで『得をしたのは朴槿恵だから、これは韓国の情報機関による殺害に間違いない』といった陰謀論を展開しています」
皮肉にも暗殺事件で、「金王朝の政権基盤は強くなった」と言うのは、国際政治学者の藤井厳喜氏である。
「年度中に選ばれる次期韓国大統領の候補者は『親北』ばかり。韓国の若者の中には、南北統一で核武装国になれると喜ぶ者もおり、南北の距離は今後4年で急接近するかもしれません。正男氏の暗殺は日本にもいずれ影響を及ぼすでしょう」
「北朝鮮vs政権の代わった米国と中国」という構造の中、本人のあずかり知らぬところで急上昇してしまった「金正男」の価値。ネット上で「まさお」の愛称で親しまれた、「権力者の愛息」の死の真相が明らかになる日は来るのだろうか──。
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