社会
Posted on 2017年07月24日 09:55

魔窟・銀座の「みかじめと愛欲」60年戦争(5)芸能人続出の店があった

2017年07月24日 09:55

 高橋央延は、銀座のスカウトマンとして50年のキャリアを誇る。プロボクサーから転身した異色の存在だが、数万人に声をかけ、1000人以上もの「銀座ブランドのホステス」を誕生させた観察力が光る。

 高橋は“伝説のスカウトマン”と呼ばれた梅宮尚(梅宮辰夫のいとこ)の物語を「アサヒ芸能」で読み、触発されて同じ道を選んだという。さて──、

「顔は二の次です」

 高橋は開口一番、意外な答えで応じた。

「それよりもスタイルのよさですね。背が高い子は銀座という街で、いずれ化けることができる。さらに、こうした可能性のある子はきちんと人の話を聞いてくれます」

 高橋は銀座の街をモノクロのイメージでとらえ、そこに原色の明るい光が差すような女の子がいた時のみ声をかける。

「それは銀行員だったり、すでにホステスとして働いていたりとタイプは違いますが、私は『聞いていいですか?』と断ってから声をかける。スカウトを受ける受けないはともかく『大丈夫です』と話に応じ、最後に『ご苦労様でした』と言ってくれる子は、絶対に成功します」

 長らく銀座の街を見守ってきた高橋や奥澤にとって、間違いなく“伝説の女帝”と呼べたのが、ミニクラブ「徳大寺」を切り盛りしていた徳大寺美瑠だ。現在は銀座と離れたところで暮らしているが、今回、隆盛を誇った70年代の店の様子を特別に語ってくれた。

「店は13坪と大きくはなかったけど、いつも女の子が27人ほどいて、お客さんが次から次へと来ている状態。ウチは決して高い料金じゃなかったけど、あの当時、現金だけで日に100万円の売り上げがあったし、これにカード払いや貸し売りも含めたら、もっと上だったわね」

 この「徳大寺」の名を世に知らしめたのは、在籍したホステスが芸能人として続々、スカウトされたことにある。ハーフタレントで「Oh!モーレツ」のCMで一世を風靡した小川ローザ。同じくハーフで、ファッションモデルとしても活躍したエルザ。

「そういう子がいたというのは偶然なのよ。私は店の方針として、痩せた子も太った子も、ハーフの子も胸の大きい子も、いろんなタイプがいたほうがお客さんも楽しいだろうと思って」

 まだいる。現在は中村雅俊夫人である五十嵐淳子。デビュー曲「涙の太陽」で新人賞にも選ばれた安西マリア。そして今や大女優に成長した風吹ジュンもその一人である。

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