社会

福島第二原発「燃料棒取り出し」緊迫の1日を密着ルポ!(1)「警報音が鳴ると、防護服を着ていても戦慄を覚えた」

「第一」のようにメルトダウンこそしなかったが、津波被害を受けた福島第二原発4号機。先頃、冷却機能が震災前の水準に戻り、10月1日より原子炉から核燃料棒を使用済み燃料プールに移す作業が始まった。翌2日に数十人の報道陣に公開された作業を取材したフリージャーナリストが体感した「緊迫の1日」─。

 波一つ立っていない真っ青なプールの水面。水中には車輪を横倒ししたような不思議な穴がポッカリと口を広げている。

 何も知らずにその部分の拡大写真だけを見れば、高級リゾートホテルのプライベートプールかと勘違いする人もいるかもしれないと思えるほど、ある種、神秘的なまでに美しい。

 しかし、このプール、原子力発電所の使用済み核燃料の保管場所なのだ。

 東電福島第一原発事故による放射能汚染で、福島県沿岸部の双葉郡一帯に「警戒区域」という名の無人地帯が出現してすでに約1年半。区域内には福島第一原発の南12キロに東電が運営するもう1つの原発・福島第二原発が双葉郡富岡町と楢葉町にまたがって位置する。私が目にした使用済み燃料プールは、まさにこの第二原発のものだった。

 東電福島第二原発は昨年3月11日の東日本大震災で、第一原発と同様に津波に襲われた。来襲した9メートルの津波は原発敷地の南側にある1号機近くから4号機周辺まで流れ込み、建屋周辺は約50センチ浸水。海側にあった海水ポンプの機能が奪われ、4基中3基の原子炉冷却が一時不能になった。

 しかし、第一原発と違って第二原発では外部からの高圧送電線が1回線生き残ったことで、何とか4日後の3月15日までに全号機で冷温停止にこぎつけ、事なきを得た。

 もっとも第二原発でも津波被害は甚大で、冷温停止中とはいえ、現在も一部は仮設設備で運営されている。その復旧作業の一端を今回、東電が公開したのである。

 福島県双葉郡広野町のJR常磐線広野駅から東電が用意したマイクロバスに乗り込み、国道6号線を北上して約10分。前方に「止まれ」の旗を振る警察官数人が立つ様子が見える。楢葉町と富岡町の境界、現在の警戒区域の検問所である。

 ここを越えて、間もなくバスは6号線から太平洋側に見える森へ右折。沿道に駐車した警察車両の前を通り過ぎると、民間警備会社の警備員が立ち並ぶゲートに到着した。福島第二原発正門前である。

 原発という非常にデリケートな場所であるためか雰囲気はものものしいが、実質的に1時間にも満たない原発取材のために構内に入ってから要したさまざまな手続きに比べれば、それも大したものではなかった。

 第二原発事務本館に到着後、私は養生を行う職員に撮影機材を渡し、ホールボディーカウンター(WBC)による内部被曝量の計測を行った。

 第一原発事故以後、東日本全土に放射性物質が降り注いだと言われる中で、自分の体内がどれほど放射能に侵されているかは気になるところだ。

小さなブースに据え付けられた椅子の背もたれに密着して着席。背もたれに埋め込まれた装置が数値を計測するという。目の前の壁に埋め込まれた大画面には走る列車の運転席にいるような映像が流れ、右隅に残りの計測秒数が表示される。

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