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記事全文を読む→鈴木哲夫の政界インサイド「トランプ訪日は“自国向けには満点”だった」
来日3日間の日程を終えたアメリカのトランプ大統領。日米首脳会談では、北朝鮮対応や経済問題が話し合われたが‥‥。
「必ずしも(アメリカ)国民の全幅の信頼を得ていない政権であることはよく認識すべきだ」
と、安倍首相の日米外交に注文をつけたのは石破茂元地方創生相。その指摘は誤りではない。
トランプ大統領はアメリカ国内ではロシアゲート疑惑などで支持率は低迷。このため支持率回復を狙い、軍事力を背景にした“強いアメリカ”を強調している。
「今回の東アジア歴訪に合わせて太平洋に展開する第七艦隊を空母3隻体制にして、来日直後の横田基地で行った演説ではステージの両側に最新鋭の戦闘機を配置、必要以上に北朝鮮への軍事的なオプションを匂わせ、強い姿勢を見せました」(自民党幹部)
日米首脳会談では、そうしたアメリカの姿勢について、安倍首相は「全面的に支持。100%ともにある」と同調した。だが、石破氏は「トランプ大統領の自国向けのアピールにまんまと乗っていいのか」「北朝鮮問題では日本独自の外交路線が必要ではないのか」と指摘したのだ。
外務省OBもこう話す。
「北朝鮮問題を解決するためには日米関係だけが強固ではダメです。解決へ向けて影響力を行使できる国は中国。このままだと日本はアメリカにただただ追従しているだけと思われ、そうなると日中に溝ができる。日本はアジアの一国。北朝鮮への対応について独自に中国、韓国としっかり話し合い、歩調を合わせておく必要がある」
さらに、トランプ大統領がアピールしたのが経済だが、これも自国向けだという。安倍首相の外交ブレーンを務める議員は「来日直前に官邸や自民党内で警戒感が強まっていた」としたうえで、こう続けた。
「トランプ大統領はTPPを脱退し、アメリカファーストの二国間貿易交渉に切り替えた。自動車や農産物など日本にドンドン売り込みたい。どうも、今回の首脳会談席上や会見などで、アメリカ国民に向け、この件を主張するようだという情報が入ったのです。日本はTPPの枠組みを堅持しようと努力しているが、大統領が来日中にその問題を突きつけてきたらどう切り返せばいいか。こっちの主張を返せば友好ムードはぶち壊れるし‥‥」
その不安は的中。トランプ大統領は、首脳会談席上や日米財界人との個別会合で、
「日本との貿易は公平ではない。二国間で解決する」
と語った。この発言はアメリカの多くのメディアも自国内で取り上げ、大統領の日本への強い姿勢を評価している。経産省OBが言う。
「過去、日米の二国間通商交渉は全て敗れている。それはアメリカが安全保障とセットにしてくるからだ。『誰が日本を守っているんだ?』と言われると、交渉では譲らざるをえない。今回、大統領は安倍首相に気を遣って抑え気味の表現だったという人もいますが、本気と見たほうがいい。二国間通商交渉は麻生太郎副総理が担当して対話を続けているが、今後も厳しい交渉になるだろう」
トランプ大統領にとって、自国向けには「満点の訪日」だったとも言えそうだ。実際に自民党ベテラン議員もこう話している。
「2人の親密度はこれまでの安倍首相の努力でずいぶん深まったことは間違いない。ただ、本当の信頼関係となると‥‥」
安倍首相がトランプ大統領の自国向けアピールの舞台を用意しただけに終わらないことを祈るばかりだ。
ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。
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