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記事全文を読む→鈴木哲夫の政界インサイド「アメリカが北朝鮮の核保有を認める!?」
11月29日未明、北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。今回の「火星15型」は、通常よりも高く撃ち上げるロフテッド軌道で発射され、高度4000キロにまで上昇し、日本海の排他的経済水域に落下した。上空で爆発し失敗したという民間航空機の目撃情報もあるが、多くの専門家の分析では、通常軌道で発射された場合の飛距離は最大1万3000キロ。アメリカ本土全域を射程に入れているという。
当然、この発射によってアメリカと北朝鮮の緊張度はいっそう高まると思われたが‥‥。外務省OBが言う。
「今回のミサイル発射の背景には、実はアメリカと北朝鮮が対話という段階に踏み出す可能性が出てきた、と見ることもできる」
北朝鮮のICBMが実用段階に近づいたとなれば、確実にアメリカの脅威になっているはず。なのに、なぜ対話の第一歩なのか。
「北朝鮮が発射したのは2カ月半ぶりだが、この中断期間に意味がある。その間に、米韓合同訓練やアメリカ原子力空母の軍事演習などが行われていて、その時期に撃てばアメリカを刺激し、事が大きくなる。だから、発射を控えていたということを北朝鮮は暗に示しているのです」
意外にも、この緊張から対話へという見方は永田町からも聞こえてきている。
防衛省政務三役経験のある自民党議員が話す。
「ポイントは日本海に落としたこと。これが北朝鮮側のアメリカへのメッセージなのでは。本当にICBMが完成したとアメリカを脅すなら、もっと本土に近い太平洋に落とせばいいところを、あえて日本海に落としたわけですからね。これは、アメリカに直接、脅威を与えるICBM開発を止めることを条件に、核保有を認めろと迫るつもりなのではないか。少なくとも、ICBM開発中断を条件に、北朝鮮はアメリカとの対話の糸口を見つけようとしているのは間違いない」
北朝鮮が脅しで譲歩を引き出そうとするのは毎度のことだが、より信憑性を感じさせるのはアメリカの国内事情が根拠になっているためだ。現在、アメリカ国内でトランプ政権への支持率はロシアゲート疑惑などで低迷している。政権内には支持率回復のために経済政策での実績を作りたいという思惑があるというのだ。アメリカ議会に通じる自民党議員によれば、
「北朝鮮問題を早期に収めて、東アジア外交では中国との経済活動を中軸へとシフトしたいのが本音でしょう。私のルートから聞いた話としては、ホワイトハウス内には『北朝鮮の核は認めてもいい』との考えもある。こうしたことを総合的に考えると、トランプ大統領は経済政策を優先させるために、ICBMという直接的な危機さえ回避できれば、核保有を認める可能性は十分にある。北朝鮮問題ではアメリカを信用しすぎるのは危険だ」
こうした警戒感を抱くのは前出・防衛省政務三役経験者の議員も同じだ。
「安倍首相はアメリカに追従して、ひたすら『圧力を』と繰り返しているが、勝手にトランプ大統領が対話へと舵を切ったら、ハシゴを外されたのも同然。日本だけが、ノドンミサイルの射程範囲に取り残され、孤立してしまう。安倍首相は日本独自の出口を主張して、日米、日中、日韓ですりあわせないといけない」
もちろん、今回のミサイル発射による軍事的衝突の危機が消え去ったわけではない。相反する「米朝対話」と「米朝戦争」。いずれの流れをたどったとしても、日本へのリスクは計り知れないことだけは確かだ。
ジャーナリスト・鈴木哲夫(すずき・てつお):58年、福岡県生まれ。テレビ西日本報道部、フジテレビ政治部、日本BS放送報道局長などを経てフリーに。新著「戦争を知っている最後の政治家中曽根康弘の言葉」(ブックマン社)が絶賛発売中。
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