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2017プロ野球「行く年来る年」座談会(2)巨人・高橋監督は岡本と心中できるか

 一方の攻撃陣は、とにかく長打力不足。なにしろ、セ・リーグで20本塁打以上の打者がゼロだったのは巨人だけだった。打てなくて負けたのに、シーズン途中で投手コーチを配置転換したのはどういうわけか。

内藤 「4番ファースト阿部慎之助」が今のチーム状況を象徴してしまっていますよね。

 でも、阿部に代わる4番候補が見当たらないのも事実なんだよな。

駒田 坂本勇人でいいんじゃないですかね。確かに、4番にはどっしりしたホームラン打者が座るべきだし、異論はあるでしょう。でも、来年39歳になる阿部に今以上の上積みを期待するのは酷。現状のメンバーを見渡すと坂本に任せるのがベターだと思いますね。

 世代交代という意味では、大砲として期待されている岡本和真がそろそろ出てこなきゃいけない。来季は4年目。4番はともかく、思い切ってクリーンアップを任せてみてもいいと思うけど、どうだろう。

駒田 素材としては間違いなく将来の4番候補です。ただ、今季14試合出場にとどまった選手がそこまでの重責を背負えるかどうか。結果が出なかった時のプレッシャーに潰されることも考えられる。調子を見ながら使ってやるのも一つの方法だと思います。

 でも、ベテランの村田修一を放出したということは、サードは若手に任せるということだろう。中途半端な起用では世代交代は進まないと思うけどな。

内藤 原辰徳前監督は、選手を監督室に呼んで話したり、個別指導をやっていましたよね。高橋監督が岡本に対して同様のことをしてやれればと思うんですが。

 そこなんだよ。原は勇人を徹底して使ったもんな。少々、結果が出なくても、「今季はお前と心中だ」という意思を直接伝えて使い続けることも必要だと思うよ。

内藤 それが世代交代成功の鍵になりそうですね。

 ヤクルトも5月末に10連敗したかと思ったら7月にも14連敗。OBのギャオスは、何が原因だと思う?

内藤 この球団はとにかくカネを使わない(笑)。FAでの大型補強は極力避けて、トレードや他球団を戦力外になった選手たちで賄いますからね。

 カネをかけないなら、選手の実力を見極める眼力が必要となってくる。フロントの責任も問われるよな。

内藤 来季からは、シニアディレクターを務めていた小川淳司さんが内部昇格で再び監督に就任します。小川さんの手腕には期待していますが、カネをかけない「人事異動」という見方もできますよね(笑)。

駒田 でも、あれだけ主力に故障が相次いだのは痛かった。「ヤ戦病院」と揶揄されるほどでしたからね。

 野村監督時代のヤクルトは、質の高いミーティングに時間をかける一方で、練習量自体はそれほどでもなかった。その後のヤクルトを見ていると、練習の少なさだけが継承されて、「野村監督の遺産」はもうなくなった気がするんだよな。

内藤 秋季キャンプはすごかったですよ。完全に「昭和の野球」(笑)。宮本慎也ヘッドが中心となって、ひたすら体力強化の過酷なメニューで鍛えていました。

駒田 宮本ヘッドは気持ちも強いし、妥協を許さないタイプでしょう。ノビノビ野球に慣れてきた選手がついていけるかな。

内藤 僕もその点が心配なんです。秋季キャンプで取材した中堅、若手選手たちがみんな疲れ切っていた。肉体的な疲労だけでなく、とにかく元気がないんです。厳しい指導で知られ、広島から移籍してきた河田雄祐、石井琢朗両コーチも「今年は覚悟しています」と言っていた。このチームの意識改革は、それだけ大変だということなのでしょう。

<座談会メンバー>

角:(角盈男)/駒田:(駒田徳広)/内藤:(ギャオス内藤・内藤尚行)

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