エンタメ
Posted on 2011年09月06日 11:54

本誌名物1000人アンケート 我が青春を彩った「昭和の歌姫」ランキング(1)インタビュー1.「魅せられて」ジュディ・ オング

2011年09月06日 11:54

ミリオンセラーで79年レコ大獲得!
「最初は〝覆面歌手〝の扱いでした」

1000人が選んだ「昭和の歌姫」ベスト30
順位 作品 票数 代表曲
山口百恵 382 いい日旅立ち、横須賀ストーリー
松田聖子 275 赤いスイートピー、青い珊瑚礁
中森明菜 264 DESIRE、ミ・アモーレ
中島みゆき 261 時代、わかれうた
松任谷由美 207 ルージュの伝言、守ってあげたい
岩崎宏美 203 思秋期、聖母たちのララバイ
竹内まりや 177 不思議なピーチパイ、もう一度
高橋真梨子 160 ジョニイへの伝言、五番街のマリーへ
森高千里 147 ザ・ストレス、渡良瀬橋
10 太田裕美 139 木綿のハンカチーフ、赤いハイヒール
11 NOKKO 137 フレンズ、ラズベリー・ドリーム
12 杏里 130 キャッツ・アイ、悲しみがとまらない
13 八神純子 122 みずいろの雨、パープルタウン
14 渡辺美里 117 MY Revolution、悲しいね
15 アン・ルイス 100 ラ・セゾン、六本木心中
16 南沙織 85 17才、人恋しくて
17 久保田早紀 83 異邦人、25時
18 小比類巻かほる 73 Hold On Me、TOGETHER
19 ちあきなおみ 72 喝采、矢切りの渡し
20 アグネス・チャン 69 草原の輝き、白い靴下は似合わない
21 小柳ルミ子 66 わたしの城下町、瀬戸の花嫁
22 麻丘めぐみ 65 芽ばえ、わたしの彼は左きき
23 荻野目洋子 63 ダンシング・ヒーロー、六本木純情派
24 由紀さおり 62 夜明けのスキャット、手紙
25 渡辺真知子 59 迷い道、唇よ熱く君を語れ
26 西田佐知子 47 アカシアの雨がやむとき、女の意地
27 ジュディ・オング 43 魅せられて、惑いの午後
27 中村あゆみ 43 翼の折れたエンジェル、ともだち
29 藤圭子 39 夢は夜ひらく、京都から博多まで
30 森昌子 36 せんせい、越冬つばめ

※40歳以上の1000人の男性を対象に5人までの「歌姫」を選んでもらい集計

 そのドレスは孔雀の羽のようだった。テレビにおける「歌姫の見せ方」に大きな影響を与えたジュディ・オングの「魅せられて」は、70年代最後の年のレコード大賞を制した。

「いつまでも時代劇ばっかりやっていないで、ちゃんと歌をおやりなさい」
 そう叱責したのは、当時、CBS・ソニーの花形プロデューサーだった酒井政利氏である。確かに女優としてのキャリアは長く、歌手としても小ヒットこそ出るが、その姿勢が酒井氏には、もの足りなかったのだろう。
 そして79年2月、ジュディいわく「人生を一変させた歌」が誕生する。ワコールのCMソングに起用され、130万枚を売り上げた「魅せられて」である。実はCMの当初は歌手名はクレジットされず、誰が歌っているのかと話題になった。いわゆる〝覆面歌手.の先駆けである。
「レコードが発売になった時も時代劇の撮影をやっていたんですけど、マネジャーが飛んできて『1日で10万枚も売れました!』って。いったい、何が起こっているのか、まったくわかりませんでしたね」
 ドラマチックなイントロに始まる壮大なアレンジは、作曲・編曲ともに筒美京平氏が手がけた。日本の音楽シーンに数々の伝説を打ち立てた天才だが、中でも「魅せられて」を最高傑作と呼ぶ声は多い。その分、ジュディはレコーディングに苦労したと言う。
「あの歌は地声とファルセットが行ったり来たりするので、声帯のギアの切り替えをつかむのに時間がかかりましたね。レコーディングも2、3度ほど中断した記憶があります」
 作詞は阿木燿子で、ジュディの目にも、多くの日本人の耳にも「好きな男の腕の中でも違う男の夢を見る」というフレーズは驚きであった。
「この部分、どう歌ったらいいのかと阿木さんに聞いたんですよ。そしたら『シャアシャアと、知らん顔して歌って』って。凄い詞であるがゆえに、なるほど、そうかと思いましたね」
 ミリオンセラーとなっただけでなく、あの白いドレスは記憶をさらに鮮烈なものにする。イントロや間奏で優雅に羽を広げた姿は、小学生までもがこぞってマネをした。
 ジュディいわく「スクリーンドレス」が威力を発揮したのは、フジテレビの「夜のヒットスタジオ」である。ドレスを広げた部分にエーゲ海が映され、79年としては画期的な映像となった。
「ドライアイスとクロマキー合成を駆使して、初めて衣装に別の映像が乗っかりましたね。私のあとに歌う番だったジュリーが、ドライアイスで凍った床に転びそうになっていましたが、当時の歌は衣装やセット、ライトとかアイデアが一体になって視聴者に届けようとしていたと思います」
 今よりもはるかに賞レースの権威があった時代、ジュディの「魅せられて」も暮れのレコード大賞に向かって突き進む。当時のCBS・ソニーは日本一の売り上げを誇るレコード会社だったが、不思議と大賞には縁がなかった。そのため、全社をあげて団結し、みごとに70年代最後の年の栄冠に輝いた。
「あれから32年‥‥『魅せられて』があったからこそ世界中、いろんな国を回れたと思うし、歌に対して深い愛情を持てるようになった作品ですね」

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/6/24発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク