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「いつやるか?今でしょ!」林修先生の金言集(1)「ワキガ」を巡る逆説とは?

「いつやるか? 今でしょ!」のCMでおなじみとなったカリスマ予備校講師の林修先生。彼の口から飛び出す「金言」の数々を受験生だけのものにしておくのは、実にもったいない。勉強に縁がなくなった大人までも、“人生の合格者”へと導いてくれるのだから──。

 テレビ画面の向こうで、ツンと口をとがらせ、目を見開き、挑発するかのように両手を広げる。

 視聴者に胸騒ぎを覚えさせたのは、何もドヤ顔のせいだけではなかった。あのワンフレーズが脳裏から離れなかったのだ。

「いつやるか? 今でしょ!」

 10年頃から放送された大手予備校「東進ハイスクール」(以下、東進)のCMで、同校の人気講師の授業のひとコマが次々と登場。最後に登場するのが、「今でしょ!」と語りかける現代文の林修先生(47)だった。

 当然、受験生へ向けてのメッセージだ。しかし、このひと言は大学受験など関係もなく、疲れた日常を送る大人までも励ましてくれたのだ。

 ジワジワとネットで話題が広がり、今年になって「いつ買うか? 今でしょ!」というトヨタのCMで、林先生は時の人となった。

 大学合格発表の時期は、予備校は休講となる。そのせいか、多くのテレビ番組で取り上げられた。ついには、「笑っていいとも!」(フジテレビ系)のテレフォンショッキングに出演し、実は、あの「金言」がいつの講義で発せられたのか、本人も知らなかったというエピソードを披露。そして、「今でしょ!」のテスト中強化バージョンなるものを発表する。

「誰がやるの? キミだよ!」

 このフレーズはイマイチ評判が悪いことも明らかにして、笑いを誘ったのだった。

 さて、バラエティ番組もみごとにこなす林先生とは、いかなる講師なのか。

 4年前に林先生の講義を受講していた男子大学院生(24)はこう話す。

「緻密な解答を作り、その根拠を一つ残らず説明しきる能力がスゴイんです。他の現代文講師は解答の根拠が甘かったりして、中には詐欺師のような講師もいますが、林先生は違う」

 確かに、それは東進のホームページで流れる講義の一部を見ても理解できる。解答を導くポイントの説明も実にわかりやすいのだ。

 しかし、若い生徒を引き付けるには、別の理由もあるようだ。

 9年前に受講していたというOL(28)が言う。

「現代文が苦手だった私にしてみると、自然に成績が伸びた感じです。今から思えば、緻密に計算されていたのかもしれないけど、冗談みたいなインパクトのある話を聞いているうちに、しっかり読解力をつけてくれたように思うんです」

 そんな林先生の冗談の中で伝説となっている「金言」がこれだ。

「ワキガの人がワキガを隠そうとすると、逆にバレるという逆説」

 前出・OLに解説してもらおう。

「ワキガを隠そうとすると、どうしても言動に表れる。それは、香水をつけたりすることもそう。違う臭いが混じってよけいにクサイじゃないですか。だから、バレる。それで、『逆説はクサイ』。つまり、問題文に逆説が表れたら、そこに主題が隠されているから『かぎ回れ』と教えてくれるんです」

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