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記事全文を読む→歴代総理の胆力「高橋是清」(4)「是清流」現代サラリーマン講話
こうした高橋の生き様、とりわけ転職歴20数回の中で培った“教訓”は現代サラリーマン必読の講話となって残っている。『是清翁遺訓』『随想録』から、名語録を挙げておくことにする。
「仕事を本位とする以上は、その仕事がどんなであろうとも、いかに賤しく、いかに簡単であろうとも、ただ一心になって、それを努めるばかりである。こうすれば、どこも不平の起こるべき原因がない。よい地位にのぼったからとて、われを忘れて欣喜雀躍するはずもなければ、またその地位が下がったからとて、失望、落胆することもないはずだ」
「不平を起こすぐらいなら、サラリーマンたる己れを廃業して独立するがいい。独立してやれば、成敗いずれにせよ、何事も自分の力量一杯であるから不平も起こらぬだろう。けれども、この独立ができないならば不平は言わないことだ」
「栄枯盛衰は人生の常である。順境はいつまで続くものではなく、逆境もこころの持ちよう一つで、これを転じて順境たらしめることもできる。境遇の順逆は心の構え方一つで、どうにでも変化するものである」
そして、“来るをとらえる人生”をこう結んだのだった。
「人生というものは、じつに間髪の間に決まるものだ。私は子供の時から、自分は幸福者なのだ、運のいい者なのだということを深く思い込んでおった。それでどんな失敗をしても、窮地に陥っても、自分にはいつかよい運が転換してくるものだと、一心になって努力した。今になって思えば、それが私を生来の楽天家たらしめたる原因じゃないかと思う」(『高橋是清自伝』上塚司編・中公文庫)
含蓄がある。
■高橋是清の略歴
安政元(1854)年7月27日、江戸(東京)芝の幕府御用絵師の家に生まれる。アメリカ留学。日本橋の芸妓・桝吉(ますきち)と遊蕩三昧生活。総理就任時、67歳。蔵相ポスト都合7度。昭和11(1936)年、「2・26事件」で青年将校の凶弾に倒れる。享年82。
総理大臣歴:第20代1921年11月13日~1922年6月12日
小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。
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