芸能

内藤洋子「アメリカ移住で絵本作家に転身」

 黒澤明監督の「赤ひげ」に抜擢され、一躍「永遠の美少女」と絶賛された内藤洋子は今、喜多嶋洋子(63)の名で在米の童話作家として知られるようになった。絶頂期の70年に音楽家・喜多嶋修氏と結婚、引退。めったにマスコミの取材は受けないという彼女を国際電話で直撃した。

──04年の「天使の羽音~山鳩からの贈り物」で絵本作家デビューして、最近作は07年の「ホーじいさんとヤムの桃」ですね。

「女優をやめてから絵本を出したので絵本作家と言われてしまったけれど、私自身は作家とは思っていないんです。職業=お母さん業をしながら、いろんなモノを作ったりするのが好きなんですね。今はね、もちろん絵を描くのは大好きですけども、子供服や縫いぐるみを作ることに集中しております(笑)。それは孫たちのためのプライベートなものなんですけど、デザインして形にすることが大好きなんですね。孫は次女の娘です。今2歳になって、かわいくてしかたないんですよ。長男と次女がこちら(アメリカ)に住んでいまして、長女の(女優・喜多嶋)舞だけが東京にいるんです」

──子供服を喜多嶋洋子ブランドにして売り出されたらいかがですか。

「そういうことも考えますよ。とにかくシンプルでかわいいものをクリエイトして、他の子供たちにも着せて『おっ、これはかわいい!』と思えるものをいっぱい増やしたいんですね。だから、次は絵本作家じゃないかもしれない」

──絵本作家になったのはなぜですか。

「小さい頃から、私はお絵描きごっこと作り話が大好きだったんです。それがたまたま結び付いたのかもしれません。絵は指にタコができるくらいイタズラ描きしていました。学校で読書感想文の宿題が出ると、頭と最後と真ん中だけ読むんです。あとは想像して感想を書いてしまうのね。だから、まぁ‥‥想像力はあったと思うんだけど(笑)。

絵本を描いた直接のきっかけは母なんですね。母は私が女優をやめてしまったことに本当にガッカリしていまして、結婚してからも、また女優として出てほしいと言われていたんです。だから、『私、テレビや映画に出ていくのは自分の感性に合わないから、じゃあ絵本を描くね』と答えたんです。だから、最初の作品は母に贈るつもりで描きました。でも、完成を待たずして母は亡くなった。でもね、その思いがあって描けたと、母には感謝しています」

──女優時代は、ドラマ「氷点」などの話題作が続きました。個人的には、挿入歌「白馬のルンナ」が大ヒットした「その人は昔」が忘れがたくて‥‥。

「私もそうかもしれない。『伊豆の踊子』も『あこがれ』も大好きですけれど、自然界と接している時がいちばん私らしかったんです。私がお芝居できるコじゃなくて、まだ子供だったし、生き生きとしていられたのがいちばん思い出に残っているんです。『その人は昔』は撮影地が北海道でしたね。海岸を馬に乗って走ったり、休憩時間にすずらん畑でくつろいだのが忘れられないです。楽しかった~」

──歌手の舟木一夫さんと共演して、いろんな歌を歌っていました。

「あれは恥ずかしいです、本当に。歌手の人と一緒に映画に出てしまったのが間違いのもとで。本当に『恥ずかしいから歌いたくない』と言ったのですが、監督の松山善三先生(作詞も担当)にこうアドバイスされたんです。『詩を読むつもりで自分の気持ちを入れなさい。それにリズムがついているだけだから。歌を歌うんじゃなくて、セリフの一部だと思って』と。だから『白馬のルンナ』に関しては、馬に語りかけるように、しゃべっているような歌い方をしたから、逆に楽だったんですね」

──今聴いても、この曲は傑作です。すばらしいですよ。

「そうですか、いやだ~。今の時代、舞ちゃんが『お母様は歌手だったんですよね』と言われたことが何回もあって、赤面しちゃうの。女優だったと言われても恥ずかしいのに“歌手”は勘弁してください(笑)」

おばあちゃまになっても愛らしさはまったく変わらないのだった。

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