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記事全文を読む→中村メイコ「最初に乗った飛行機は何ですか」って聞かれたら「戦闘機です」
テリー 小さい頃はエノケンさん(榎本健一)や(古川)ロッパさんなど、そうそうたる人たちとも共演してますよね。
中村 そうですね。ロッパさんとは有楽座で、同じ「フクちゃん」の舞台もやりましたし、そうやってどんどんお仕事するようになってしまって。でも嫌いじゃなかったのかな、やっぱり。
テリー そのあとは森繁久彌さんとも。
中村 森繁さんはデビューが戦後ですもんね。戦争(第二次世界大戦)が昭和14年に始まって、16年ぐらいの時、私、小学校1年生だったと思うんです。「国民学校」っていう名称になった年の1年生で、市ヶ谷小学校っていうところに行ってました。その頃は牛込区(現在の新宿区の一部)に住んでたんですよね。
テリー その後どこかに疎開したんですか。
中村 ええ。もう父がともかく怖がりで、空襲に遭いたくない一心で、大きな日本地図を広げて「どこがいちばん安全か。奈良だろう」って、縁もゆかりもない奈良県を目指して一家で行きました。
テリー えっ、そんなことできたの?
中村 できたんです。で、「ここは静かでいいな」とか言って、父が富雄村(とみおむら)というところに降りて、駅のプラットフォームで「どなたか一家3人ほどが暮らせるお部屋など貸してくださるお宅はありませんかな」って3回ぐらい叫んだら、「どうぞ」っていう人が走ってきて。そこのお離れを借りて住み出したんです。
テリー 奈良を選んだのは歴史のある古い建造物があるから?
中村 そう。父が「ここは文化財が多いから絶対爆弾落とさんぞ」って。
テリー それもまたすごい話だよね。16年ってまだ空襲なんて想像できない時でしょう。結局、爆弾は落ちなかったんですか。
中村 はい。でも、その頃は大阪の劇場に通ってましたから怖かったですよ。私が歌ってる最中に、客席の後ろのほうに焼夷弾が落ちて燃えたりとか。
テリー わぁ。
中村 あと特攻隊の慰問がすごく多かったですね。というのは、もう明日死んじゃうことがわかってる兵隊さんたちは、美味しいものでもお色気でもなく、子どもに会いたがるんです。「この子たちの未来のために死ぬなら命は惜しくない」みたいな、自分に対する説得だったのかわからないですけど。
テリー あぁ、なるほど。
中村 それで、どこの特攻隊の基地もメイコちゃんをっていうご要望が多くて。だからよく雑誌のインタビューで「最初に乗った飛行機は何ですか」って聞かれたら「戦闘機です」って答えてましたよ。「お船は何ですか」「潜水艦です」とか。
テリー そうか、子どもだから乗っけてくれたんだ。ということは、ゼロ戦とかにも乗ったってことですか。
中村 乗りました。
テリー アハハハ。そりゃ、またすごい話だな。それが10歳ぐらいの時?
中村 いえ、10歳になってないですね。7歳か8歳。
テリー それで戦争が終わったら、焼け野原の東京に戻ってきますよね。空襲のなかった平穏な奈良から東京へ来たら、どんなふうに見えたんですか。
中村 なんて言ったらいいんでしょう。でも私、その前にドイツが戦争に負けた時の映画を見てるんですね、タイトルは忘れちゃいましたけど。
テリー それは記録映画みたいなもの?
中村 ええ。それと同じ風景だなって。「あ、ドイツみたいになっちゃった」って、なんとなくそんなふうに思ったことを覚えてますね。
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