芸能

日本レコード大賞 炎の四番勝負!<第1回>「1972年~ちあきなおみVS小柳ルミ子~」(1)

20131205k

「たかが歌」‥‥「されど歌」である。かつて、大みそかの茶の間は〈歌謡界の頂点〉に誰が立つのかと固唾を飲んで見守った。それは、1年の間に人々が流した汗や涙を昇華する儀式でもあった──。国民的ヒット曲が不在の今、かつて「日本レコード大賞」に命を削った者たちの“激闘”を、ここに再現してみたい。

「これが日本の音楽業界の現状です」

 昨年12月30日のこと。2連覇を果たしたAKB48に対し、制定委員長の服部克久は、肯定とも否定ともつかぬコメントを口にしている。父である作曲家・服部良一が創設に奔走した「日本レコード大賞」は、あるいは迷走してしまったのだろうか‥‥。

 授賞式は06年から12月30日に移行しているが、かつては大みそかに生中継していた。番組の立ち上げに関わった元TBSの砂田実は、現行の放映を残念がる。

「放送日がまちまちだった『レコ大』を、大みそかに持っていったのが69年。NHKに何度も交渉に行って、レコ大と紅白歌合戦をつなげる形で“国民的なお祭り”にしたんです」

 そもそも第1回のレコ大(59年)は中継もされず、初代の栄誉に輝いた水原弘でさえ「レコード大賞って何だ?」と他人ごとのように洩らしている。

 それでも、砂田には“読み”があった。

「第1回の会場に行くと、作曲家協会の偉い人たちが呼び込みをやっていて、それでも客席はガラガラ。ただ、壇上にはスター歌手がずらりと並んでいて、これはいずれ、番組として成立すると思いましたね」

 その年は「皇太子ご成婚」でテレビの受信契約が飛躍的に伸び、砂田がにらんだように「レコ大」は人気番組に成長していく。69年(第11回)に大みそかの中継が始まると視聴率は30%台を記録し、そして72年(第14回)は史上2位となる46.5%に達する。

 前年より10%以上も上積みしたのは、新人賞(麻丘めぐみ、郷ひろみ、森昌子ら)の混戦もあるが、さらに「奇跡の大逆転」を演じた大賞争いへの関心によるものだ。

 候補となったのは沢田研二、小柳ルミ子、和田アキ子、ちあきなおみ、五木ひろしの5名。いずれ劣らぬ売れっ子ばかりだが、ここで本命視されたのが小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」である。

 デビュー以来の師である作曲家・平尾昌晃は、4作目の誕生を明かす。

「デビュー曲の『わたしの城下町』はミリオンセラーになったけど、数字も曲のインパクトも少しずつ落ちていった。ここらで本腰を入れて曲を書かなきゃと思ったね」

 平尾は少し前に、ルミ子に「いつ、お嫁に行くの?」と聞いたことがある。宝塚音楽学校を首席で卒業したほど歌に賭けていたルミ子は、きっぱりと返す。

「私は行きません。一生、歌手でいたいんです!」

 この一言がきっかけで、平尾の心にひとつのアイデアが生まれた。間もなく20歳を迎えるルミ子を、せめて歌の中で「嫁入り」させてやろうと──。作詞家の山上路夫は、その依頼にしかし、頭を抱えてしまう。

「2つ書いたんです。嫁入りを歌った『峠の花嫁』と、瀬戸内をテーマにした『瀬戸の夕焼け』と。ところが、どうもピンと来ないので、ディレクターの塩崎喬さんと2人でソファーに引っくり返ってしまった」

 その瞬間だった。それならば2つを合わせて「瀬戸の花嫁」にしてしまおうと。その提案に塩崎も「それだあ!」と声を荒らげ、そこから快進撃が始まった。

◆アサヒ芸能11/26発売(12/5号)より

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , , , , , , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    過食やストレスによる“ぽっちゃり” 実は「脳疲労」が原因だった!?

    Sponsored
    157187

    「思うように外出できないし、友だちともなかなか会えない」「四六時中、家族と接していて息が詰まる」「在宅勤務だと仕事に集中できない」「残業がなく収入減で将来が不安」──会議に限らず、飲み会やデート、婚活まで、オンラインによるライフスタイルがニ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , , |

    参加無料の賞金大会実況リポート!いま激アツなオンライン麻雀の“リアル”

    Sponsored
    156506

    ここ数年、急増している麻雀番組。昨今、超人気アイドルグループをはじめ、グラドル界からも麻雀にハマるメンバーが続々登場。彼女たちの間では「グラドル雀士枠」の争奪戦も展開されているとか。もはや可愛いさだけではなくプロとも渡り合えるガチな雀力が求…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , , |

    アラフォー男性の健康トラブルが増えている!?“人生100年時代”を生き抜く3つのヒントとは?

    Sponsored
    155376

    “貧乏暇なし”とはよくいったもので、来る日も来る日も働きづめでストレスはたまる一方だ。暴飲暴食で食生活は乱れ、疲れがなかなかとれないばかりか、眠りは浅く熟睡もできない。こんな毎日だから朝から体がダルいし、集中力や判断力が鈍って仕事ではミスば…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
成績不振、高額年俸、素行不良…「芸能界“戦力外通告”」(1)本田翼は楽屋での毒づきが…
2
成績不振、高額年俸、素行不良…「芸能界“戦力外通告”」(3)『ギャル枠』はみちょぱの一人勝ち
3
成績不振、高額年俸、素行不良…「芸能界“戦力外通告”」(2)結果が出せない宇垣美里
4
「バス旅」太川陽介を唸らせる河合郁人の活躍で川崎麻世に不要論!
5
浅田舞“Eカップ”くっきり“宅トレ”番組が朝から際ど過ぎた!