政治

小泉純一郎 老いを感じさせてしまった「都知事選」応援演説(1)

20140213e

 いよいよ2月9日に投票を控えた都知事選だが、選挙戦の主役となっているのが小泉純一郎元総理だ。連日、その勇ましい一挙手一投足が報じられているが、ちょっと待て! 密着した記者の目に映っているのは、かつてのギラギラしたオーラなどまるでない、ヨボヨボに老いたライオンの姿ではないか。

「大勢お越しいただきまして、足を止めて耳を傾けている姿を見ますと、本当に感動しております」

 1月29日、東京の吉祥寺駅前北口で聴衆に向かってこう語りかけたのは、小泉純一郎元総理(72)である。小泉氏の「感動しております」のセリフに周囲からはクスクスと笑い声が漏れていた。

 都知事選に出馬した細川護煕〈もりひろ〉元総理(76)を引き継ぐ形で始まった応援演説に、約2000人の聴衆が耳を傾けたのだった。

 この日、小泉氏は隣接する三鷹駅北口で午後2時から演説を行っている。2人の元総理のタッグとあって、ものものしい数のSPや警察官がフル装備で警護に当たっている。

 目下、都知事選は、細川氏と舛添〈まずぞえ〉要一元参議院議員(65)との一騎打ちと報じられているが、政治部記者が情勢を解説する。

「今回、小泉さんは原発ゼロを訴えるべく細川さんを応援しています。選挙序盤の出口調査などでは、舛添さんがダブルスコアの圧勝でした。しかし、このことで舛添陣営が大幅に緩み、結果、演説に有権者が集まらない状態が続いているのです」

 突然の閑古鳥状態に慌てた舛添陣営は、1月29日に安倍晋三総理(59)らの応援投入を決めたという。一方、1000人単位の人を集める小泉節は健在で、こうぶち上げるのだった。

「(私が)無責任で愚かなことは(原発に代わるエネルギーの)代案を出さないことだと言います!(しかし)私が1人で代案出せるんですか?出せるわけないじゃないですか!」

 しかし、選挙戦開始からわずか1週間にして、小泉氏は鼻声で、声もかれて聞き取りにくい。ライオンの異名を取った以前の勇ましい姿とは違い、いやが上にも老いを感じさせてしまうのだ。

 以前であれば、小泉氏が「自民党をぶっ壊す!」と気勢を上げれば、有権者たちが声を上げ、嵐のような拍手を送ったものだった。しかし、小泉・細川氏のヨボヨボすぎる姿に、訪れた人たちはただただもの珍しさに足を止め、賛同というよりは冷笑を浴びせているのみであった。

 三鷹の演説で、小泉氏はこう自嘲気味に語っている。

「皆、何をいまさらと、引退した70過ぎた老人が何でのこのこ出てくるんだ? と言われる。(略)立候補すればもうケチョンケチョンに言われるわけですよ」

 いまひとつ熱気に欠ける選挙運動だが、メディアでは連日「小泉旋風」が吹き荒れているかのように都知事選を報じている。前出・政治部記者が明かす。

「現在は安倍政権の支持率が安定しすぎて対抗勢力がいない状態です。国民も安定を望んでいるのか、安倍さんの悪い話を書いてもウケがよくない。そこで、小泉さんを持ち上げ、何とか安倍さんとの対立構図を作り、政治ネタを盛り上げたいのです」

 徐々にアクションをつけながら聴衆をあおる小泉氏だが、その動きはやはり以前のキレを失っていたのだった。

◆アサヒ芸能2/4発売(2/13号)より

カテゴリー: 政治   タグ: , , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身