芸能

「後悔が死を恐ろしくする」桜木健一と近藤正臣「50年ぶりの再会」で語り合ったこと

 8月10日に最終回を迎えたテレビ大阪開局40周年ドラマ「ちょこっと京都に住んでみた。」は、おだやかで趣のあるドラマとして、上々の人気を誇った。

 内容は木村文乃演じる主人公・佳奈が、京都の大叔父・茂(近藤正臣)の家に滞在することになり、その暮らしぶりを描いたものだ。

 とくに事件が起こるわけでもなく、佳奈が京都の町の実在の店で買い物をしたり、その店の店主と話をしたりする。そんな一風変わったドキュメンタリータッチなところも人気だった。京都出身の近藤正臣のはんなりとした京都弁も心地いい。

 ところで、近藤正臣といえば、昭和世代にとって忘れられないのが、スポ根ドラマ「柔道一直線」(1969年6月期~71年4月期)のワンシーンだろう。

 近藤は桜木健一演じる主人公・一条直也のライバル・結城真吾役を演じていた。近藤がアップライトピアノに跳び上がり、足で鍵盤を踏んで「ねこふんじゃった」を弾くシーンは、テレビドラマ史に残る珍場面として有名なシーンだ。

 あれから50年。なんと「ちょこっと京都~」の中で、2人が再会するという粋な演出があった。

 それは第5話でのことだ。近藤にはかつて仕事仲間でもあった親友がいたが、ささいな誤解をきっかけに疎遠になってしまっていた。その友人というのが桜木健一で、2人が50年ぶりに再会するという設定なのだ。

 片手を挙げて「おう!」と言う桜木。それに応えるかたちで、ちょっとバツが悪そうに片手を挙げる近藤。ベンチに並んで座る2人。「いつ以来やろか」「河原町で飲んで以来や」「随分むかしのことや」「元気そうで安心したわ」「あんたも」「会えてよかった。後悔が死を恐ろしくするんや」「……」「またきますわ」「そうか」。

 ほんの数分間のシーンだったが、実際の2人の50年間とも重なり、人生の機微を感じさせる味わい深い場面に仕上がっていた…。

 ちなみにこの共演が実現したのは、木村文乃と桜木健一が同じ事務所の所属だったからだという。

(堀江南)

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身
4
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
5
前田日明「しくじり先生」で語らなかった「最大のしくじり」南アフリカ先住民事件