スポーツ

サンスポ水戸正晴の「絶対万券」論「グラニットは操縦性が武器」

 お盆が過ぎて一気に秋めいてきた。夏のローカル競馬も大詰めを迎える。8月最後の重賞は新潟2歳ステークスと札幌で行われるキーンランドカップである。

 新潟2歳Sは、ここを勝って年末に行われる2歳馬の総決算、朝日杯FSや阪神JF、ホープフルSに向かう馬が多い。来春のクラシックに繋がるかと問われれば疑問符が付くが、それでも13年ハープスター(阪神JF2着、桜花賞1着、オークス2着)、15年ロードクエスト(ホープフルS2着、NHKマイルC2着)、18年ケイデンスコール(NHKマイルC2着)、21年セリフォス(朝日杯FS2着)など、マイル路線、クラシック戦線で活躍する馬は少なくない。

 なので目の離せない重要な一戦と言っていいのだが、2歳戦はとにかく不確定要素を多く含んでおり、下馬評どおりの決着をみることは少ない。過去のデータもそれを示している。

 02年に馬単が導入されて以降、これまでの20年間、馬単での万馬券は7回(馬連は5回)。この間、1番人気馬は9勝(2着3回)しているが、2番人気馬はわずか2勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は4回あり、堅い時は堅いが、簡単に有力どころでは決まりづらい重賞であることがわかる。

 ここ6年は馬単万馬券が出ていないだけに、そろそろ‥‥という感もなくはないが、どうだろう。

 あとは牡馬と牝馬の斤量が同じ54キロでありながら、牡馬が13勝(2着13回)、牝馬は7勝(2着7回)と牝馬が健闘していることは頭に入れておくべきだろう。出走頭数を占める割合はほぼ同じ。この時期はまだ牡・牝の力量にそう開きがないということだ。

 これらのデータを考慮して期待を寄せてみたいのは、グラニットだ。前走、福島の未勝利戦(芝1800メートル)を勝ち上がったばかりだが、その内容がなかなかよかった。好スタートを決めて先頭に立ち、そのまま楽々と逃げ切ったもの。力を秘めているな、と好印象を与えてくれた。

 前走後はすぐここに照準を合わせ、しっかりと調整されてきた。坂路で行われた1週前の追い切りは、3頭併せの真ん中で軽快な動きを披露。状態のよさに大和田調教師も「素直でマジメ。コントロールが利く馬で、競馬はしやすい。特に切れるタイプではないが、新潟外回りのマイル戦は合いそう」と、期待感を滲ませる。

 父はダノンバラード(皐月賞3着、宝塚記念2着)で、ダービー馬フサイチコンコルドが母の父。距離は長いほうがよさそうに思えるが、操縦性のよさは大きな武器。人気はイマイチだが、道悪も上手そうで、晴雨にかかわらずチャンスは大いにあるとみた。

 一方、今年で17回目を迎えるキーンランドCは、過去16回で牡馬の5勝に対して牝馬が11勝と、牝馬の活躍が目立っている。

 当方の狙いもその牝馬、マウンテンムスメをイチオシしたい。前走のアイビスサマーダッシュは8着に敗れたが、函館で調整して暑い新潟での競馬は輸送もあり、本来の力を出せる状態ではなかった。

 そのあたりは陣営も認めており、改めて函館入り。温泉につかるなどのケアをされ、体調は戻っている。

「体重減りがなく、立ち直りは早かった。いい雰囲気で改めて期待したい」

 と、中野調教師は巻き返しを期す。

 札幌芝は〈1 2 0 1〉の成績が示すとおり、力を要する洋芝は合う。一族にマイネルマックス(朝日杯3歳S=現・朝日杯FS)などがいる血筋で、鞍上は「2022ワールドオールスタージョッキーズ」(8月27日、28日/札幌競馬場)で初来日するフランスの女性、コラリー・パコー騎手というのも魅力。道悪実績も十分で“一発”があっても不思議はない。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
2軍暮らしに急展開!楽天・田中将大⇔中日・ビシエド「電撃トレード再燃」の舞台裏
2
不調の阪神タイガースにのしかかる「4人のFA選手」移籍流出問題!大山悠輔が「関西の水が合わない」
3
ボクシング・フェザー級「井上尚弥2世」体重超過の大失態に「ライセンスを停止せよ」
4
新庄監督の「狙い」はココに!1軍昇格の日本ハム・清宮幸太郎は「巨人・オコエ瑠偉」になれるか
5
「メジャーでは通用しない」藤浪晋太郎に日本ハム・新庄剛志監督「獲得に虎視眈々」