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Posted on 2022年10月12日 05:58

ここに来ればいつでも会える…力道山の墓に立つ「猪木の仁王像」に闘魂注入されたい!

2022年10月12日 05:58

「燃える闘魂」アントニオ猪木さんが亡くなった。熱狂的な猪木信者とまではいかない、ただ、昭和のプロレスが好き程度の私でもショックだったのだから、真のファンの悲しみは計り知れないだろう。

 かつて偶然つけたテレビに映った初代タイガーマスクの四次元殺法に魅了され、プロレス好きになった当時の私にとって、猪木さんのプロレスは非常に泥臭く見え、その魅力がわかるようになったのは、後年、DVDなどで往年の名勝負や異種格闘技戦の数々を見てからだった。

 例えば、タイガー・ジェット・シンの腕を折ったことで有名な「ショルダー・アームブリーカー」。相手の腕を肩越しに背負い、自分の肩を支点にして勢いをつけて振り下ろす。飛んだり跳ねたりの派手な技ではないが、猪木さんが自身の上半身をのけ反らせながら相手の腕を持ち上げ、鬼の形相で振り下ろすだけで恐ろしく絵になった。

 また、攻められていた猪木さんが攻勢に逆転する際によく使ったのが「リバース・インディアン・デスロック」。うつ伏せにした脚を交差させ、自分の片脚を相手の交差した両脚に入れてそのまま後ろへ倒れ込む。これもプロレスごっこで小学生でもマネできるような技だが、猪木さんが不敵な笑みを浮かべながら拳を握りしめ、観客を拍手で煽って、両腕を大きく広げて後ろに倒れ込む姿は、どんなフィニッシュホールドよりも説得力があった。

「ナックル・アロー」や「魔性のスリーパー」。本来プロレスのルールにおいては反則であるはずのパンチやチョーク攻撃なのに、猪木さんがすれば観客からはブーイングではなく「待ってました!」とばかりの歓声とどよめきが巻き起こる。とにかくその技と動きには、見る者を興奮させる何かがあったのだ。

 それはプロレスや異種格闘技戦だけでなく、政治家として「平和の祭典」でプロレスを通じての北朝鮮問題や、イラクの人質解放へと立ち向かった時もそうだった。

 晩年、自身のYouTubeチャンネル「アントニオ猪木『最後の闘魂』」で病魔という最大の敵と闘う姿も我々に見せた。ベッドに横たわった猪木さんは、痩せ細り、声も小さかったが、それでも「闘魂」が燃え続けていることを私たちは感じた。最期まで「ストロングスタイル」を貫き、そして、旅立ってしまった。

 10月9日に放送された「ワールドプロレスリング」(テレビ朝日系)は、そんな猪木さんの追悼特集だった。

 名勝負のハイライトや、藤波辰爾、長州力、前田日明、初代タイガーマスク、藤原喜明、武藤敬司、蝶野正洋、獣神サンダーライガー、といったレジェンドたちのインタビューも流れた。

 しかし、とてもじゃないが30分の放送時間では、全て語りつくせるわけもない。やるせない思いのまま、翌日、猪木さんに会いにいった。

 東京都大田区の池上本門寺本殿には猪木さんをモデルにした仁王像がある。彫刻家の圓鍔(えんつば)勝三作の仁王像(写真左が阿形像、右が吽形像)のモデルにと依頼された猪木さんは、同寺に師匠である力道山の墓があることから、快諾したとの逸話が残る。ここに来ればいつでも猪木さんに会える。ビンタこそ受けられなかったが、仁王様に「闘魂注入」していただいた。合掌。

(堀江南)

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