スポーツ
Posted on 2022年10月22日 17:56

“J1昇格”アルビレックス新潟「大化け」の秘密(2)今のスタイルならJ1でも戦える!

2022年10月22日 17:56

 ところが、当のアルベルト監督がJ1のFC東京に引き抜かれ、代わって今季から指揮を執ったのが現監督の松橋力蔵氏(54)だった。

 松橋監督は17年から横浜F・マリノスで4年間コーチを務め、19年にはJ1制覇も経験。21年にアルビレックスへ移籍してきた。

「アルベルト氏の下でコーチを経験していたこともあり、チームが目指すスタイルを継続していくには、うってつけの人材だったと言えます。一般的に前監督が成績不振で解任されると、後継者は一からチームを作らなければならず苦労する。しかし松橋監督の場合は、アルベルト氏によって築かれた土台があった。そのため、自身のエッセンスをすんなり加えることができたのだと思います」(安藤氏)

 低迷期のアルビレックスは、監督選びで「負のスパイラル」に陥った経験を持つ。04年以来守ってきたJ1の座から落ちた17年は、当時の監督が10試合指揮を執っただけで成績不振のため辞任。元日本代表で知名度もあった呂比須ワグナー氏(53)が後を託された。

 しかし思うような戦いはできず、チームワーストタイとなる6連敗を喫するなど、散々な成績で終わってしまった。

 J2降格後も毎年のように監督が途中交代する異常事態が続き、呂比須氏招聘が失敗に終わった影響からか、内部での昇格人事の繰り返し。リーグ関係者や報道陣からは「内部昇格を繰り返すことで閉塞感が漂い、ダイナミックさを失っている感がある」と指摘されることもあった。

 その悪い流れを完全に断ち切ったのが「外様」出身の松橋監督である。

「マリノスの下部組織を長く指揮してきた人で、若手育成には定評がありました。アルビレックスでもMFの秋山裕紀(21)、FWの小見洋太(20)といった若い選手を『ミスしてもいいから積極的に仕掛けろ』と言って起用し、成功しています」(安藤氏)

 昨季の経験も生かされた。安藤氏によると、シーズン終盤に失速したのは、相手チームに対策を立てられた結果、思うように打開できず、勝ち切ることができなかったことが原因だったという。

「J1と違ってJ2では、守備を固めて確実に勝っていこうと考えるチームが多い。従って、アルビレックスのように自らボールを保持して主体的にゲームを進めるチームに対しては、次の対戦でしっかり対策を立ててくる。昨季はそこを突破できませんでした」(安藤氏)

 低迷期と違って、課題は明らかだった。アルベルト監督の指導で守備はすでに安定している。残るは、いかにしてゴールを奪うか。サイド攻撃や中央からの崩しなど、攻撃のバリエーションを増やした。

 さらに、そこに至るまでのパスの精度も高めた。練習でもボールが浮いたら選手同士で「浮いているぞ」と指摘し合うなど、技術の向上にこだわったという。

 来季は6年ぶりにJ1の舞台に帰ってくる。

「今のスタイルならJ1でも十分に戦えると思います。また、地域密着が根づいて、サッカー熱の高い新潟でプレーしたいという選手も多いので、いい補強ができる可能性もあります」(安藤氏)

 来春のJ1開幕まで約半年。ひと昔前は雪国のため「スポーツ不毛の地」とも揶揄された新潟のサポーターたちにとって、今冬の雪解けはいつにも増して楽しみになりそうだ。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月14日 11:30

    AIは本当に人類を終わらせるのか。専門家のとある主張が世界を震撼させている。その「AI終末論」は、AI開発企業アンソロピックに勤めていた元研究員、ジェイコブ・コクソン氏によるもの。Xで「AI研究関係者の多くが、AIは今後10年以内に人類を破...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年09月16日 20:30

    「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物「エトミデート」は、広島カープに大きな衝撃を与えた忌まわしいブツだ。元広島カープの羽月隆太郎氏にこれを譲り渡したとして医薬品医療機器法違反の罪に問われた会社役員・滝口涼介被告の初公判が9月16日に広島地裁で...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年09月17日 07:15

    20世紀最大級のミステリーと言われてきた、イギリス・スコットランドのネス湖に生息するという未確認動物(UMA)の「ネッシー」に、再び熱い視線が注がれている。いったいなぜか。一時期は目撃情報が激減し、専門家からは死亡説や、人間の活動を警戒して...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク