社会

年末年始は200%用心!高速道路に潜む「悲惨死のワナ」(3)/10分以上も車線を塞がれたイライラが募った先には…

 追越車線に突然、低速で割り込んでくる大型トラック。前回指摘したように、中には追い越しをかける一般ドライバーらへの当てつけ行為として、わざと危険な割り込みを行う愉快犯トラッカーや確信犯トラッカーも、一部ながら存在する。

 だが、死に直結する高速道路での追突クラッシュ事故は、時に一般ドライバー側のイライラが遠因となるケースもある。交通事故の発生メカニズムに詳しい専門家は、

「現在、大型トラックや大型トレーラーには、時速90キロを超えて加速できない速度制限装置(スピードリミッター)の設置が義務づけられています。そのため、例えば85キロで走行する大型トラックを別の大型トラックが追い越す場合、大型トラック同士の速度差は最大でも5キロしか取れない計算になってきます」

 こう指摘した上で、次のように警告するのだ。

「高速道路には、緩やかな上り坂が長く続く区間があります。このような区間で大型トラックが追い越しをかけた場合、追い越される大型トラックとの速度差はさらに小さくなる。その結果、追い越される大型トラックと追い越す大型トラックが、例えば10分以上にわたって走行車線と追越車線を塞いでしまう、という状況が生まれます。その場合、後続車は左からも右からも追い越すことができず、一般ドライバーらのイライラは次第に増していくことになる。中には蛇行運転を繰り返したり、クラクションを鳴らしたりして『早く車線を空けろ』と、ジェスチャーで要求するドライバーも出てくるでしょう」

 果せるかな、追い越しをかけていた大型トラックが走行車線に戻った瞬間、一般ドライバーは放たれた矢のように追越車線を疾走し始める。そして、イライラに任せ、オーバースピードで走行を続けていたその時、走行車線を走行していた大型トラックが突然、追越車線に割り込んできて大クラッシュ──。こんな事態も想定されるのだ。

 元トラックドライバーの運送業界関係者も、次のように指摘する。

「トラックドライバーは、決められた刻限までに荷を運ばなければなりません。そのため、自分より少しでも速度の遅いトラックがいれば、追い越して時間を短縮しようとするのです。年末年始の帰省や旅行などで高速道路を利用する一般ドライバーの方々には、トラックドライバーが置かれている厳しい状況を、ぜひ理解していただきたい」

 結局は「心のゆとり」と「思いやり」が悲惨な事故を防ぐことになる、ということだ。

カテゴリー: 社会   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
「京都崩壊」の信じがたい現実…外国人観光客専用都市に激変した「不気味な風景」
2
商品価値が落ちたヤクルト・村上宗隆「メジャー計画変更」で大谷翔平と同じ道を
3
土壌ラドン濃度・衛星観測・上空発光…火山噴火と大地震「前兆キャッチ」の新技術がスゴイ!
4
山尾志桜里の「公認取り消し」騒動を起こした玉木雄一郎は「榛葉幹事長人気に焦った」って!?
5
フジテレビ・山本賢太アナが行方不明に!? 「代役」登場と「謎のテロップ」