事件
Posted on 2023年07月05日 05:58

【戦慄の報告書】市川市「母親の遺体を切断して食べた」事件で浮上した「カニバリズムは145万年前からあった」証拠

2023年07月05日 05:58

 千葉県市川市の自宅マンションで発生した、70代の母親とみられる遺体の切断、遺棄事件。逮捕された45歳の娘は「霊媒師の修行に行く必要があり、母がいると行けないので殺した。遺体の一部は食べた」と供述。バラバラにされた遺体は10個以上の袋に分けられていたというが、遺体を損壊した理由が、証拠隠滅のためなのか、あるいは霊媒師になるための何らかの儀式だったのかは、今後の捜査で明らかになるだろう。とはいえ「遺体を食べた」という供述は、世間を震撼させるに十分だったことは、言うまでもない。

 実は世界各地では近年、人間が人間の肉を食べる、いわゆる「カニバリズム」という猟奇的事件がたびたび起こっている。具体的事例は割愛するが、このテの事件で犯人たちが往々にして口にするのが「儀式」という言葉だ。

 そして、なんらかの儀式だった可能性が考えられる、145万年前の人類が「共食い」していたことを示す最古の痕跡が発見された、との論文が6月26日、学術誌「Scientific Reports」で発表され、世界の人類学者の関心が集まっている。古代人類に詳しいジャーナリストが解説する。

「論文の執筆者は米スミソニアン国立自然史博物館の古代人類学者、ブリアナ・ポビナー氏です。2017年にケニアを訪れたポビナー氏が、首都ナイロビのケニア国立博物館でヒト族の骨を調査すると、脛骨に石器の切り痕のようなものが見つかった。これまで見てきた食肉処理の痕跡と一致していたことで、その部分の3Dスキャンを依頼。すると、石器によって刻まれたことが判明したのです。これは人間が自らの手で、人間のふくらはぎの筋肉を骨から切り離すために『食肉処理』を行った可能性があることを意味する、という結論にたどり着きました」

 ヒト族は100万年以上前から同じヒト族を食してきたとされ、その証拠となる最古の例は、スペインのアタプエルカ遺跡から見つかった骨。80万年以上前のものだというが、もし今回の研究結果通りであれば、80万年どころか145万年前から、人類は人間を食していたことになるわけだ。

「この時代に生きたヒト族が、ただ食欲を満たすためだったのか、儀式的なアプローチで人肉を食していたのかは、現時点ではわかりません。とはいえ、旧石器時代におけるホモサピエンスの骨をめぐっては、実際に儀式としての人肉食があったとする研究があり、ネアンデルタール人も共食いをしていたことが明らかになっています。つまり、市川市の事件での『共食い』も、なんらかの儀式であったか可能性が十分に考えられるということです」(前出・ジャーナリスト)

 145万年の時を経て、なおも繰り返されるカニバリズム。はたして目的は──。

(灯倫太郎)

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