ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏の性暴力問題が、超大物ミュージシャンにまで飛び火した。7月9日、自らのラジオ番組でジャニー氏の問題に言及せざるを得なくなったのは、山下達郎だ。
発端となったのは、山下の事務所「スマイルカンパニー」に所属していた音楽プロデューサー・松尾潔氏による告発だ。
これまでジャニー氏の疑惑を批判し続けていた松尾氏は7月1日、ツイッターに「契約が中途で終了になりました」と投稿。「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です」として「山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」と山下の「ジャニーズ忖度」とも取れる姿勢を批判していた。
こうして山下は「山下達郎のサンデー・ソングブック」(TOKYO FM)で弁明を強いられることになったのである。
番組では「松尾氏と私は直接、何も話をしておりません。私が社長に対して契約を終了するよう促したわけでもありません」と関与を否定した山下は、自らの「ジャニーズ忖度疑惑」について「根拠のない憶測」と完全否定。
松尾氏の告発以降、指摘されている「長いものに巻かれている」との指摘に対し、「そのように解釈されるのであれば、それでもかまいません。きっとそういう方々には、私の音楽は不要でしょう」と言い切った。
この後、ツイッターでは「嫌なら聴くな」がトレンド入りし、山下が大炎上する事態となったのだ。そんな山下について、
「ラジオ番組でのファンを突き放した発言は『平常運転』の印象ですね」
と話すのは、山下を知る音楽関係者だ。続けて、
「もともとこの番組は、リスナーからの投稿にしても『ハガキか手紙でしか受け付けない』『本名での投稿以外は採用しない』といった山下ルールが貫かれています。実際に本人も『嫌なら聴かなきゃいい』と思っているでしょう」
とはいえ、今回の騒動で山下の音楽が社会から「キャンセル」されかねない、との危惧もある。
「山下の態度に憤った一部のネットユーザーが今後、山下の曲をCMソングに採用する企業にクレームを入れようとする動きが出ているのです。今年の冬はテレビで『クリスマス・イブ』が流れなくなる可能性も、少なからずありそうです」(前出・音楽関係者)
自らが蒔いた種とはいえ、「ボイコット運動」まで起こるとは…。
(川瀬大輔)