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地元民に愛され2度の復活を遂げた長野県「黒姫駅そば」の独特システム

 乗客の減少や路線の廃止によって多くの駅そばの名店が近年、暖簾を下ろしてきた。渋谷駅で40年にわたって営業してきた「本家しぶそば」や北海道の音威子府駅構内に店を構えていた1933年創業の「常盤軒」、新海誠監督のアニメに登場した駅そばのモデルとされるJR小山駅の「小山駅きそば」などなど。名が知られていない店も含めれば数えきれないほどの店が閉店している。

 しなの鉄道黒姫駅(長野県)の駅そば店もその1つだ。もともとはJR東日本の関連会社が経営していたが、2015年の北陸新幹線の金沢延伸で駅がJR東日本からしなの鉄道に移管されたことを機に閉店した。

 しかし利用者の復活を望む声を受け、しなの鉄道が店を再開。日本中の黒姫駅そば店ファンが胸をなでおろした。

 ところが、その復活から約7カ月に再び休業。今度こそ二度とあの味を口にすることはできないと思われたのだが、再び奇跡が起きる。しなの鉄道に代わって信濃町が店の運営を受け継ぐことを決定。2015年11月、閉店から約1カ月後に再開されたのである。駅そばに詳しい鉄道ライターによれば、

「自治体が運営を受け継いで駅そばを存続させるなんて聞いたことがありません。それだけ地元住民に愛されているということでしょう。そんな黒姫駅の駅そば店の名前はそのまま『黒姫駅そば店』。飾り気のなさがいいですね。遠方から車でわざわざここのそばを食べにやってくる人も少なくない。近くにしなの鉄道の列車を撮影することができる有名なポイントがあるので、撮影の帰りに食べていく撮り鉄も多いんです」

 同店のシステムの特徴は「特上そば」と「駅そば」の2種類があること。特上そばは生麺で茹で上がるまで約3分で、駅そばは茹で置きの麺で提供まで30秒と違いがある。特上そばのほうが30円ほど高い。

「人気は特上そばの『えび天たまごそば』(写真・700円)です。大ぶりのえび天が2本も乗っていて、食べ応えがあります。駅そばらしさを求めるなら、麺を駅そばにしてもいいでしょう」(前出・鉄道ライター)

 2度の閉店を乗り越えて今も住民に愛されている名店。いつまでも続いてほしいものだ。

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