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Posted on 2026年02月02日 07:30

【「背中におでき」老ねこ看病記~前編】獣医が告げた「手術後に目が覚めない可能性があります。悪性ならきれいに治るとは…」

2026年02月02日 07:30

「猫愛好の輪」はいつの間にか広がっているもので、猫の話をすると「私も2匹飼っている」といった話で盛り上がることがよくある。筆者の連れ合いの従妹もそのひとりだ。飼っている猫の近況を時々、報告し合うようになったのだが、昨年12月に突然、こんな連絡があった。
「うちのチーコが今、とても大変なの…」
 どうしたのか詳しく知りたいので、病状をLINEで送ってくれるようにお願いしたのだが、思っていた以上に深刻だった。

 昨年あたりからチーコの背中におできがあるのがわかったのだが、それがどんどん大きくなっていったという。そのうち背中や腰の周辺に脂みたいなものが出るように。その脂が毛を巻き込み、さらに出血もして、患部がどんどん大きくなっていった。
 連絡をくれた時点では8センチくらいの大きさに。もちろんすぐ動物病院に連れていった方がいいのだが、彼女はどうしていいかと思っているうちにパニック状態になってしまい、とりあえず様子を見ていたという。

 しかし、ついに放っておくことができない状態にまでなってしまった。かかりつけの動物病院に相談したところ、獣医師はこう言った。
「頑張ってみませんか」
 頑張るとは手術をすることで、術後は1週間、入院することになるという。
 ただし、医師はこう付け加えた。
「全身麻酔をして手術しますが、年齢的に手術後に目が覚めない可能性があります。それに悪性のものなら、きれいに治る可能性が高いとはいえない」

 ここで思い出したのは、我が家にいたジュテという猫だ。2021年にお腹のガンで死んだのだが、できるなら手術をしてもいいと思っていた。しかし、小さな体の猫に全身麻酔をするのはリスクが大きいと言われ、手術を諦めた。
 チーコの場合はそれに加えて高齢で体への負担も大きいから、やはり手術は避けるにこしたことはない。
 しかも手術、入院、薬代が最低でも50万円くらいかかるとのこと。チーコは保険に入れていないので、50万円の出費はさすがに痛い。夫にも相談したところ、
「治らないかもしれないのに手術して、かわいそうな思いをさせない方がいい」
 と言われたという。

 結局、どうしているかといえば、
「手術はせず、今は痛み止めのクスリをもらって飲ませ、落ち着いてはいます。でも、もう目が見えなくなっているので、歩くのもヨタヨタする感じで、見ているだけでかわいそう。私もジェットコースターのように気持ちが上がったり下がったり揺れ動いて、今も不安定で…」
 そばにいたら誰でも辛くなるような状態。そこでこんなLINEを送ってみた。
「チーコがいちばん楽な方法を考えてあげるのがいいのでは。まだ痛み止めが効くなら、まずそれで楽にしてあげるのがいい」
 するとすぐに「そうですよね」という返信が。こういう時は気が動転しているのと、自身では判断がつかないことが多いので、他の人に後押ししてもらいたいという心理が働くものだ。LINEを見てホッとしたかもしれない。
 助けてはあげたいが、18歳になる老猫は手術がうまくいくかわからないし、そのために50万円もかけるのは実際、何もいいことがない。

 チーコがどうなったかと気にしながら翌日に連絡すると、こんな返信が。
「薬が効いているみたいだけど、患部から出血するので怖い」
 ケアとしては朝に患部を消毒、それから2~3時間するとそれが染みて幹部が柔らかくなるので、小さなハサミで毛を少しずつ切り離すという。
「食欲はあるし、便も出るから、それ以外は普通の年寄り猫。ただ、心配なのは、処方してもらっている薬が効かなくなった時のこと。かかりつけの病院はとても面倒見がいいので頼りにしているし、先生とも相談して、なんとか回復させてやりたい」

 その思いは痛いほどわかった。(後編につづく)

(峯田淳/コラムニスト)

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