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記事全文を読む→ねづっちに教わったなぞかけを営業でやったらその後…/40年経っても売れない浅草芸人の「破天荒交遊録」(6)
ホント、漫才協会の後輩にはお世話になってる。後輩の方がオイラより優秀なんだから、そりゃ、オイラが協会の理事にいつまでたってもなれないのに、後輩の方がどんどん役付きになるのもわかるわ。あの「なぞかけの天才」として知られるねづっちちゃんも、20歳くらい年下。そのくせ、もう10年近く前から理事をやってる。
そのねづっちちゃんには、アタマが上がんないのよ。前に営業で、書道の先生を囲んでの新年会に呼ばれたわけ。それで、たぶんお客さんから「書道をお題にしたなぞかけやってくれないか」って頼まれるんじゃないかと予想して、前もってねづっちちゃんに電話したの。どうせオイラが考えるよりうまいだろうってさ。
そしたらねづっちちゃん、お題を聞いて一瞬で答えを返してきた。
「じゃあこういうのはどうです? 『書道』とかけて『関西のお笑い芸人』と解く。そのココロは『やはり文鎮(文珍)もいるでしょう』」
さすがだったね。もちろん舞台で、それ披露した。「さすが芸人」って拍手もらった。もう「人のフンドシ」そのもの。ありがたいよ。これも漫才協会の後輩だからこそ。ただこの前、ねづっちちゃんに、ちょっと注意された。
「なぞかけの相談されるのはいいんです。なべさんだけじゃなくて、おぼん師匠やナイツの塙君からも相談の電話が来ることあるから。ただね、他の人たちは舞台で使ったら必ず『これはねづっちからもらった』って言ってくれる。なべさんだけです。自分で作った、みたいな顔するのは」
そうだったのか、と反省だな。こういうところも、みんなに「尊敬」されずに理事選で票が集まらない理由なのかもしれない。
よし! これからはちゃんと「ねづっちからもらった」って言おう。そのかわり、営業のたびにねづっちちゃんに電話して、いいなぞかけのネタを仕込んどくかな。
なべかずお:1957年(昭和32年)、北海道滝川市の生活保護家庭で生まれる。レンガ職人、とび職人など様々な仕事を経て1984年、浅草フランス座でお笑い芸人の修業を開始。その後、羽生愁平と漫才コンビ「ビックボーイズ」を結成し、現在に至る。2006年には「真打」昇進。2008年にラップCD「たまらんぜ」をリリースし、2023年には自伝本「たまらんぜ!芸人人生七転び八転び」(山中企画)を出版。漫才協会には30年以上も在籍しているが、後輩はどんどん理事になり、ついには約10年後輩のナイツ塙宣之が会長になったのに、自身は一度も理事にもなったことがなく、「永遠のヒラ会員」と呼ばれる。
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