芸能

「入籍と子宮ガン発症」を同時報告した原千晶の苦悩と喜び/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史

 それはまさに、苦悩と喜びがないまぜになった記者会見だった。

 第21代クラリオンガールとしてデビューして脚光を浴び、1997年11月には「BORA BORA原千晶+篠山紀信写真集」を発売。南太平洋に浮かぶボラボラ島で撮り下ろされた、初のヘア写真集は当時、世の男性たちをトリコにした。

 そんな原が都内で会見を開き、入籍報告と同時に自らの子宮ガンを報告したのは、2010年11月15日のことだ。席に着いた原は、ひと呼吸おいてからこう語り出した。

「すでに報道や、生放送でお話しさせていただいた通り、10月10日に入籍いたしました。ただ、2005年2月、子宮頸ガンの一部切除手術をし、今年1月には子宮頸ガンと子宮体ガンを患いまして、2度の手術を体験しました」

 原によれば、2005年の時は、病院での検査で判明。手術を受けて体調は回復したというが、

「悪いところを全部取ったので治ったと思い、定期健診を怠ってしまって、ケアもしなかった。私が甘かったのだと思います」

 その結果、2009年末には子宮頸ガンと子宮体ガンの併発に加え、リンパ節への転移も判明。

「1月に骨盤内のリンパ節の切除と、子宮を全摘出する手術を受けました。5年前の手術の時は公表する気はありませんでしたが、2度目の手術を体験し、抗ガン剤治療のため、ずっとカツラをかぶっていた。眉毛もまつげもなく、わかる人にはわかってしまう。公表することで(同じ病気に人の)救いになれば、とたくさんの方が言いますが、そういうきれいごとではなく、まずは自分が楽になりたかった。ビジュアルが変わっていくことを隠し切れなくなったというのが(事実を公表した)大きな理由です」

 そう語る原は、この会見でもカツラを着用していたが、SNS上で「なぜカツラをつけているの?」と話題になり、皮肉にもそれが「ガン告白」の背中を押す要因になったと明かしたのだ。そんな失意の中にある彼女を支えてくれたのが、入籍した1歳年上の番組プロデューサーの夫だった。

「主人とは何年か前から一緒に生活してきたので、そのまま変わりなく。入籍という形で書類を出しただけなので、あまり実感が湧きません」

 そう言って苦笑いするも、その表情は歓びに満ちているように見えた。

 それから13年。彼女がSNSで「左脚4カ所にリンパ液の漏れが見つかった」と告白したのは、今年7月27日のことだ。

〈発症は辛い事ですが、自分の身体としっかり向き合いながら決して悲観せず、これからも自分らしく進んでいこうと思います。保存療法をきちんと行ってこれ以上悪化させない事が当面の目標です。変わらず人生を楽しんでいくぞー!〉

 そんな前向きのコメントを目にして、改めて彼女の芯の強さを感じたのだった。

(山川敦司)

1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。

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