政治

【10.22補選のウラ】「選挙の顔」初陣なのに…ドリル優子「2連敗危機」の奔走現場

 自民党の「ドリル優子」こと小渕優子選挙対策委員長は10月22日投開票の衆院長崎4区(佐世保市の一部など)、参院徳島・高知選挙区の両補欠選挙が「初陣」となる。連勝で次期衆院選に向けて弾みをつけたいところだが、苦戦が伝えられ、連敗の可能性も指摘されている。「選挙の顔」として岸田文雄総理に登用された小渕氏だが、いきなり試練を迎えている。

 小渕氏は10月6日に官邸を訪れて岸田総理と会談。両選挙区の情勢を報告した。岸田総理からは勝利に向けて「しっかり取り組んでほしい」との指示を受けている。

 小渕氏は10月5日には告示に合わせて徳島入りし、自民党衆院議員から徳島県知事に転出した後藤田正純氏と会談している。後藤田氏は会談後、X(旧Twitter)に「当選同期の小渕優子さんが来てくださいました」と、にっこりマークを3個つけて投稿した。

 後藤田氏と小渕氏は、2000年6月の衆院選で初当選。小渕氏は当選8回。同期にはほかに松野博一官房長官、上川陽子外相らがいる。

 小渕氏が徳島県を訪れたのにはワケがある。自民党候補者は高知県議出身のため高知では知られているが、徳島では無名の存在だからだ。本来、徳島県は自民党が強いところだが、先の知事選で後藤田氏は、自民党県連が推薦した当時の現職ら保守系2人を大差で破った。保守分裂の後遺症が残っているとされ、知事の動向が焦点となっているのだ。

 ただ、後藤田氏が対立候補に必勝と書いた「為書きポスター」を送っていたとの情報もあり、小渕氏としては気が気ではないところだろう。

 長崎4区も前回の総選挙で大接戦だった選挙区で、「横一線」(林芳正前外相)と言われ、自民党は危機感を持っている。

 小渕氏は連勝して「ドリル優子」のイメージを払拭したいところだが、なかなか難しいようである。

(喜多長夫/政治ジャーナリスト)

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