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セレブ仲間は理事長室に入れても学生は入れない日本大学・林真理子理事長の「学生の声、要望がもっとほしかった」の白々しさ

 悲痛な訴えだった。12月4日に開かれた日本大学の記者会見では、記者からの質疑応答の終盤に「日大新聞」の学生記者達が学生の声を代弁した。

「いろいろな問題が出てきて、一学生としてアキれる気持ちでいっぱい」

 そう切り出すや、学生の就職活動の支援、組織風土改善について、改めて林真理子理事長に問うた。すると林理事長は、

「学生には申し訳ない。私もアメフト問題がこのように広がっていって、このような案件を引き起こすとは思っていなかった。私の認識が甘かった。いくつもいくつも本当のことが出てきて、マスコミの方にもご批判を受けた。私たち大学の中心にいる者たちがアメフト問題の時、きちんと初期にやらなければいけなかった。反省している」

 この言葉が会見を見守っていた学生達に刺さったかどうかはわからない。さらに林理事長は別の学生記者に対し、

「今回、思いましたのは、学生の声をもっと聞きたかった。私のところにこういうふうにしてほしいとか、理事長は間違ってるんじゃないかとか、なんらかのレスポンスをもっとほしかった」

 だが、この発言に違和感を覚えた視聴者は多いのではないか。

 林理事長は質疑応答の冒頭、自分の知人友人を理事長室に招き入れることについて、

「開かれた大学にするため。警備上、問題ない」

 と話していた。ちょっと待ってほしい。大学自治会や日大新聞記者、後輩である芸術学部の学生を理事長室に招いてその声を聞くこともせず、セレブ仲間に理事長室を見せびらかすことを優先したのではないのか、という不信感がどうにも拭えないのだ。

 同じ女流作家で大学理事長である昭和女子大学第5代総長・理事長の坂東真理子氏と林理事長を遠慮なく比較すると、坂東氏は内閣府に入った後、男女共同参画室長や埼玉県副知事、生命保険会社の理事を経て、同大総長に就任。その後も教壇に立ち、現役学生や卒業生、社会人の話を聞く機会を持っている。記者が全国紙の埼玉県政担当だった当時は会見の後、坂東副知事から意見を求められた。

 壇上から「学生の声を聞きたかった」と言うのみのセレブ理事長と、官僚と地方自治、民間企業で実務経験を積んだ坂東総長の学生に対する態度、バランス感覚にはあまりに大きな開きがあると思うのだが……。

 日大卒業生に「大学改革に適した人材」がいないなら、大学理事会の椅子を外部の人間に譲るか、それとも理事会は大学を道連れに撃沈するつもりなのか。

 今年、日本国内の新生児は、外国籍の新生児を含めても70万人まで落ち込むという。一方、日大の現在の学生数は7万8000人を超える。7万8000人の真面目な学生より、不祥事を繰り返してきた120人の筋肉バカを守る大学が、その赤ん坊達が18歳になって大学生になる頃に、「若者の40人に1人が学ぶ大学」に相応しくないことだけは確かだろう。

(那須優子)

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