芸能

「アダモちゃん」島崎俊郎の心臓を止めた「インフルエンザ感染」の年代別死亡リスク

 突然の訃報だった。「オレたちひょうきん族」や「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に出演、俳優としても活躍していた島崎俊郎さんが急性心不全で12月6日に亡くなっていたことが明らかになった。

 私情を挟むと「オレたちひょうきん族」のタケちゃんマンでもブラックデビルでもなく、島崎さんの「アダモちゃん」を見るためだけに同番組のDVDを買い揃えたほど「ヒップアップ」のファンだった。訃報を知った夜、今の地上波テレビでは絶対に現れないであろう唯一無二のキャラが「ア、ダ、モ、ステー!」と叫ぶ姿をプロジェクターに映し、献杯した。

 島崎さんは亡くなる約1週間前にインフルエンザに感染し、体調を悪化させていたという。インフルエンザが直接の死因であると断定はできないが、インフルエンザ感染後に死亡するリスクはどれくらいあるのか。

 乳幼児から未成年まで怖いのが「インフルエンザ脳症」だ。国立感染症研究所の統計によると、新型コロナ流行前の2019年から2020年シーズンで、インフルエンザ脳症は134人が報告された。脳症を引き起こす頻度そのものは低いが、脳症になると死亡率は30%と高く、命を取りとめても脳に障害が残る後遺症の出現は25%にのぼる。

 子供や若者に関しては、インフルエンザ脳症や高熱により意識が朦朧とした状態で「窓から転落死」する事例もある。「もう小さくないから」とインフルエンザで自宅療養中の中学生や高校生、大学生の子供だけを残して外出するのは、できれば避けてほしい。

 乳幼児の場合は、発熱に伴う脱水も起こしやすい。いつもより排尿の回数が少ない、色が黄色い、濃いと思ったら「すでに脱水を起こしている」サイン。氷水や経口補水液、ゼリーやアイスキャンデーなどで水分補給し、水が飲めないようならすぐに医師に相談してほしい。

 大人の場合は年齢別にみると、50代までの死者数はゼロに近いが、60歳を境にインフルエンザの死亡者数は増えていく。60代で5人から10人、70代になると10人から20人、80代以上になると50人以上の死亡例が例年報告されており、年間約1万人近くがインフルエンザ関連死するといわれる。特に糖尿病患者やヘビースモーカーは肺炎にかかりやすく、インフルエンザと診断されてわずか2日で肺炎が急激に悪化して命を落とすこともある。

 インフルエンザを過度に恐れる必要はないが、大人も子供も脱水と体力の低下で血栓や痛風発作、他の感染症などを招くので、こまめな水分補給と、消化がよくて栄養のある食事を摂り、休養あるのみだ。

 重症化を抑えるためには、ウイルスが体内で増殖する前にインフルエンザ治療薬を飲むことが有効となる。週末に熱が出ても動けないかもしれないが、土日診療している医療機関を昼間のうちに受診するのが理想的だ。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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