スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「佐世保記念」

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切れ味鋭いまくり 井上昌のV濃厚

 追い込み選手から信頼される機動型になるには、積極的な仕掛けを忘れないことだ。

 今年の記念最終戦が「佐世保記念」(12月20日【土】~23日【火】)。出走予定のS級S班は、金子貴志成田和也新田祐大浅井康太。来年もその座を維持し、岸和田グランプリに出場するのは浅井だけだが、S1からはホームバンクの井上昌己、好調な稲垣裕之ら強力なチャレンジャーがめじろ押し。浅井といえども、楽な戦いはさせてもらえそうにない。

 選手層が厚いとは言えない長崎で、ただ1人のS1井上は、今年後半、7月弥彦親王牌●【3】(●は決勝レースの着順)着、9月前橋AS●【9】(●は決勝レースの着順)着とGI2戦連続決勝戦に乗り、11月松山記念優勝と好走。九州を代表する選手である自負が原動力になっている。混戦でコースを探し出すテクニックに、切れ味鋭いまくりは健在。ここは、中川誠一郎合志正臣の連係実績がある実力者とラインを組める。遠征勢に簡単には、名を成さしめはしない。

 まくりが持ち味でスプリンターと、競走スタイルは井上に似ているのが群馬の天田裕輝。それなのに実績で井上に遠く及ばないのは、ここぞという時の積極性に欠けるからだ。果敢に行くようになれば追い込み選手ががっちりガードしてくれる。力はあるだけに奮起を促したい。

 さて、並びと展開。ラインが長くなるのは九州勢、山田英明─中川─井上─合志で折り合う。他は2者で、岡山の黒田淳友定祐己、京都の稲垣─藤木裕、そして中部は浅井─金子。東日本は南関の桐山敬太郎中村浩士、関東の天田─浦川尊明、福島の新田─成田が有力。勝ち上がりがありそうなのは、矢野昌彦と2班の相川永伍か。

 稲垣が行く気を見せても、山田が主導権は譲らない。中団は稲垣か桐山。浅井、天田は早めのまくり狙い、新田は最後に動く。

 本命は井上。結束固い九州勢の絶好のポジションから11年以来、2度目の地元記念制覇濃厚と見た。対抗は乗れている稲垣。松戸記念に続く記念連続優勝も十分ある。3番手評価は、浅井と新田で互角だ。

 伏兵は新井秀明(熊本・85期)、三田村謙祐(京都・96期)、箱田優樹(青森・98期)の3選手。11年に埼玉から熊本に移籍した新井は、しぶといレースっぷりがいい。機動型の三田村と箱田は、マイペースに持ち込めば粘り込みがある。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能12/16発売(12/25号)より

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